自律神経失調症に効果のある漢方とは? 病院の薬とどこが違うの?


「自律神経失調症」という病名を聞いたことがある方は多いでしょう。
しかし、どのような病気か?と聞かれるとはっきり答えられない人が少なくないと思います。
自律神経失調症の症状はいろいろあり、現代医学でも治りにくい病気なのです。
そこで、今は漢方の効果が注目されています。
今回は、自律神経失調症に効く漢方についてご説明しましょう。
漢方を利用する際の注意点などもご紹介します。
自律神経失調症に悩んでいる方や、漢方を治療に取り入れてみたいという方はぜひこの記事を参考にしてくださいね。

目次

  1. 自律神経失調症とは?
  2. 自律神経失調症に対する西洋医学の考え方
  3. 漢方は自律神経失調症に効果があるのか?
  4. おわりに

1.自律神経失調症とは?

漢方の効果をご説明する前に、まずは自律神経失調症という病気についてご説明しましょう。
いったいどのような病気なのでしょうか?

1-1.自律神経とは?

自律神経とは、消化器や循環器、呼吸器などをつかさどる24時間働き続ける神経のことです。
私たちは意識しなくても呼吸や消化を行っています。
それができるのは自律神経のおかげなのですね。
自律神経はさらに「交感神経」と「副交感神経」に分かれています。
交感神経が活発になると血圧があがり、汗が出て心拍数もあがるのです。
いわゆる「興奮した状態」になります。
また、副交感神経が活発になると心拍数が静まり、消化器官が活発に働くようになるのです。
つまり「リラックスした状態」になります。
私たちの体は交感神経と副交感神経が交互に働くことにより、正常に機能しているのです。

1-2.自律神経失調症とは?

しかし、何らかの原因で交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、心と体にさまざまな悪影響が出ます。
一例をあげると、動悸(どうき)や倦怠感(けんたいかん)、息切れやいらいら、食欲不振や便秘です。
病院で検査をしても何も異常は発見されません。
ですから「体に何も異常がなくても、このような症状が何か月も続く」という場合に自律神経失調症と診断されることが多いでしょう。
自律神経はとてもデリケートです。ストレスを感じたりやホルモンバランスが崩れたりすると、あっという間に乱れてしまいます。
心配事や不安なことがあると「夜中でも眠れない」「食欲が落ちる」といった症状が出る方もいるでしょう。
これも、自律神経が乱れているからです。

1-3.自律神経と精神の関係

自律神経は、前述したようにちょっとしたきっかけで乱れます。
しかし、大部分は一時的なもので、自然と回復するでしょう。
でも、更年期のように長い間ホルモンバランスが乱れたり強いストレスを長期間受け続けたりすると、自律神経失調症になりやすいのです。
更年期のようにいつか終わるものならば、不快な症状を抑える治療法を取ってもよいでしょう。
しかし、ストレスが原因の場合はその元を取り除かない限り回復が難しいケースもあるのです。
また、ストレスの感じ方には個人差があります。
責任感が強くまじめで完璧主義な人ほど、ストレスを受けやすい傾向にあるでしょう。
さらに、体の不調自体がストレスになる人もいます。
つまり、自律神経失調症になりやすい人というのも確かに存在するのです。
そして、ストレスが原因の自律神経失調症の場合は、治療が難しいといわれています。

2.自律神経失調症に対する西洋医学の考え方

自律神経の働き自体を薬や手術で正しくする方法はありません。
ですから、西洋医学で自律神経失調症を根本的に治すことは難しいのです。
「自律神経失調症」と判断された場合は、体に現れる症状を軽くする服薬が治療の中心になります。
また、「ストレスが原因で自律神経失調症になった」という場合は精神科医がカウンセリングをして、考え方や気の持ち方にアドバイスを与えることもあるでしょう。
しかし、症状がたくさん出れば出るほど服薬の量は増えていきます。
「毎日何種類もの薬を飲んでいる」という方も珍しくありません。
さらに、気持ちを落ち着かせる薬やリラックスをする薬などは人によって効き目が異なります。
その上、「薬が効かないから」といって薬の量を増やしていくと別の症状が現れてくる可能性もあるのです。

3.漢方は自律神経失調症に効果があるのか?

では、漢方で自律神経失調方は改善されるのでしょうか?
この項では、自律神経失調症に効果があるとされる漢方薬などをご紹介します。

3-1.自律神経失調症に対する東洋医学の考え方

東洋医学は、中国を中心に発展してきた長い歴史を持つ医学です。
針や灸(きゅう)、ツボ押しなども東洋医学の考えに基づいています。
今は西洋医学が世界の主流ですから、東洋医学はときとして民間療法のように思われてしまうこともあるでしょう。
しかし、東洋医学はれっきとした医学です。
ですから、漢方薬を扱うにも資格が必要。
鍼灸(しんきゅう)治療を行うには「鍼灸師(しんきゅうし)」という国家資格がいるのです。
ですから、民間療法とは全く異なります。
さて、東洋医学では体内を「気」と呼ばれる生命エネルギーが巡っており、それが乱れるから病気になるという考え方をするのです。
自律神経失調症も当然、気が乱れて発症すると考えます
そこで、大承気湯(だいじょうきとう)女神散(にょしんさん)など、気を整え、血の巡りをよくする漢方薬で症状を改善していくのです。

3-2.漢方のメリットとは?

漢方薬は、植物の葉や根を使った「生薬」でできています。
私たちが料理に使うショウガも漢方薬なのです。
ですから、症状に有効な成分を化学合成した西洋医学の薬よりも、効き目が穏やか。
また、一種類の薬で複数の効果が得られるので、西洋医学の薬に比べると飲む量が少なくてすみます。
ですから、「こんなに薬を飲まなければならないのか」というストレスからも解放されるでしょう。

3-3.漢方薬の注意点とは?

漢方薬の原料である「生薬」は、自然のものが多いです。
体に有効な成分も入っていますが全く関係のないものも入っています。
ですから、「頭痛薬のように、飲んで30分もすれば効果が現れる」ようなことはありません。
自律神経失調症の症状として強い痛みや不快感があり、「すぐにこの症状を軽減してほしい」という場合は、病院で処方された薬を使いましょう。
さらに、漢方薬は最低でも1か月以上規則正しく飲み続けなければ、効果が現れません。
2~3回飲んでみて「効果がない」とやめてしまっては、どんな漢方でも効かないでしょう。
注意してください。

3-4.漢方薬を処方してもらうには?

自律神経失調症のようにひとりひとり症状の出方が違う病気の場合は、漢方薬局で自分に合った漢方を処方してもらいましょう。今は、初めての方でも入りやすい店が増えています。また、事前に予約をして訪れるとスムーズです。
「漢方薬は高い」というイメージを持っている方もいますが、高価な漢方薬はごく一部。
また、使う際には必ず使用者の了承を得ます。
病院で処方される薬と比べて極端に高いということはないのです。
さらに、漢方薬を処方する前に舌の状態や脈を診たり生活習慣を聞かれたりすることもあります。
これは「四診(ししん)」と呼ばれる東洋医学の診断方法です。
こうして処方された薬は、用法と用量を守って一定期間飲み続けましょう。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回は自律神経失調症に効果のある漢方薬についてご紹介しました。
まとめると

  • 自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経のバランスが崩れる病気。
  • 現代の医学でも根本的に治癒(ちゆ)させるのは難しい。
  • 薬をたくさん飲むこと自体がストレスになる場合もある。
  • 漢方薬は効き目が穏やかなため、ゆっくりと体を回復させる効果がある。

ということです。
漢方薬を用いた治療がすべての人に効果がある、と断言はできません。
しかし、長年病院に通って薬も服薬しているのに調子がよくならない人は、試してみる価値はあるでしょう。