慢性的なだるさや疲れを取り除きたい人におすすめの漢方薬


疲れだるさや疲れが抜けない人は、漢方薬を試してみてはいかがでしょうか。疲労感は体からのサインです。そのサインに早めに気づいて対処してあげることで、だるさや疲れがたまりにくい体をつくっていきましょう。

目次

  1. 慢性的なだるさや疲れの対処法
  2. 漢方の観点から考える慢性疲労の原因
  3. だるさや疲れを回復する効果がある漢方薬
  4. 疲労を蓄積しないために必要なこと

1.慢性的なだるさや疲れの対処法

1-1.だるさ・疲れの症状とは

「一日中疲れが抜けずなにもする気が起きない」「なにもしていないのに疲れる」「なんとなく調子が悪い」といった状態が続くのが、慢性疲労です。このような症状は体と心が助けを求めているサインでもあります。怠けた気持ちによるものではありませんから、無理をしてはいけません。

1-2.慢性的な疲労の治療法

胃腸機能や肝機能の低下、貧血、甲状腺の異常などの病気が原因である可能性もあるので、長期間だるさや疲労が続いている場合には内科を受診して検査を受けるとよいでしょう。西洋医学的な治療を受ける必要のあるケースもあります。

1-3.漢方を使った対処法

病気が原因でない慢性疲労に役立つのが、漢方薬です。漢方では、生命エネルギーの流れに障害があらわれ始めた状態が疲労であると考えています。
たとえば、疲労が強いときは、「気」の状態が足りない「気虚(ききょ)」の状態です。この気虚が進行すると、「血」が足りない「血虚(けっきょ)」の状態になります。そのため、漢方薬を用いて「気」の巡りをよくしたり「血」を補ったりすることで体のエネルギーを正常な状態に整えるというわけです。

2.漢方の観点から考える慢性疲労の原因

漢方では、疲労が生じる原因として主に次の3つが考えられています。

2-1.気虚(ききょ)・脾虚(ひきょ)タイプ

病気や出産のほか、肉体的・精神的な疲労などによって衰弱している状態です。生命エネルギーである「気」がとぼしくなり、本来持っているはずの元気が失われています。さらに、食べ物や飲み物を「気」や「血」というエネルギーに変える力もなくなってしまうのです。つまり、消化吸収機能が低下している状態のこと。漢方では、「脾(ひ)」の力が落ちている状態であるといわれます。
この状態になると、なにもしていなくても疲れやすくなるでしょう。動くことが面倒になり、眠気を感じます。特に食後に、このような症状を感じることが多いのが特徴です。力が出ないので、大きな声を出すのがつらくなるでしょう。そして、胃腸の働きが弱まっており消化吸収力も低下しています。胃のもたれや吐き気、食欲不振、下痢、軟便、便秘などが症状としてあらわれやすくなるでしょう。食事をおいしく感じなくなる、もしくは食べ過ぎてしまう傾向もあります。

2-2.血虚(けっきょ)タイプ

貧血気味の状態になっているのが、血虚タイプです。ただし、血液検査で貧血の診断が出るとは限りません。胃潰瘍(いかいよう)や痔(ぢ)、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)といった出血が起こりやすい病気などが原因で血液が不足すると、エネルギーが不足して元気が保(たも)てなくなります。
血虚タイプの人は顔色が悪く、めまいや立ちくらみが起こりやすいのが特徴です。体は冷えており、皮膚は乾燥して荒れていることが多いでしょう。また、髪の毛が抜けやすい、爪がすぐに割れてしまうという人も血虚である可能性があります。眠りにも影響を及ぼすので、寝つきが悪く熟睡できないという悩みを抱える人も多いはずです。女性の場合、月経時の出血量も少なくなります。

2-3.水毒(すいどく)タイプ

体内に余分な水分がたまってしまい、水(体液)の流れが悪くなっているのが水毒です。冷たいものの食べ過ぎや飲み過ぎが原因で起こります。冷房で体を冷やしすぎるのもよくありません。また、運動不足の人も水がたまりやすいので気をつけましょう。このような状態になると、「気」や「血」の流れも悪くなります。そして、体全体のエネルギーが低下して疲れやすくなってしまうのです。
水毒の主な症状は、全身のだるさ。中でも足を中心とした下半身のだるさが気になるでしょう。足のむくみもあらわれます。そして、少し動いただけでも汗をかきやすいというのも特徴です。食事中に汗をかく人も多くいます。何か行動を起こすことが面倒になり、やる気が起きなくなるのも水毒の症状です。特に、梅雨の時期に疲れやすくなるといわれています。頭痛や耳鳴り、めまいを感じることも多いでしょう。

3.だるさや疲れを回復する効果がある漢方薬

3-1.補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

疲労感や倦怠感、手足のだるさ、気力の低下などを改善するほか、胃腸の機能を向上するので食欲不振にも効果的です。気虚の処方としてよく用いられます。体力や気力をつけるためにおすすめの漢方薬です。

3-2.人参養栄湯(にんじんようえいとう)

「気」と「血」が不足している人には、この漢方薬が適しているでしょう。精神的な疲労が強い場合にも有効です。

3-3.十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

この漢方も「気」と「血」の不足を補うために処方されます。気虚の状態だけでなく、血虚の状態があらわれている人にふさわしい漢方薬です。過労により心も体も疲れきっている場合に試してみるとよいでしょう。

3-4.真武湯(しんぶとう)

気虚が進行すると「陽虚(ようきょ)」という状態になります。正常な体温を保つ「陽」の働きが不足している状態です。だるさや疲れのほか、おなかや背中などが冷えて胃腸が弱っている人に適しています。

3-5.六君子湯(りっくんしとう)

気虚で胃腸機能が低下している人に処方される漢方薬です。胃のもたれや食欲不振といった胃の症状をともなう疲労を改善するために用いられます。

3-6.八味地黄丸(はちみじおうがん)

加齢などが原因で下半身が冷えやすく、だるさや疲れを感じる人におすすめの漢方薬です。むくみにも効果を期待できます。胃腸機能の低下には不向きです。

4.疲労を蓄積しないために必要なこと

4-1.適度な運動

だるさや疲れを解消するためには、全身の血行をよくしなければなりません。適度な運動を習慣にして、心身の疲労を取り除きましょう。運動による適度な疲労は、生活リズムを整えるのに有効です。規則正しい食生活や睡眠を促す効果も期待できます。

4-2.栄養バランスのよい食事と十分な睡眠

質のよい食事と睡眠は、疲労した心身を回復するために欠かすことができません。栄養バランスのすぐれた食事をしっかりと食べて、早寝早起きを心がけましょう。

4-3.自分に合った漢方薬を見つける

ご紹介した漢方薬は、あくまでも一般的に処方されているものです。大切なのは、自分に合った漢方薬を見つけること。そのために、専門家に相談することをおすすめします。自分の体質や症状を伝えて原因を究明し、一番ふさわしい漢方薬を処方してもらうことが重要なのです。

まとめ

慢性的なだるさや疲れを取り除くのに有効といわれている代表的な漢方薬をまとめておきましょう。

  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
  • 人参養栄湯(にんじんようえいとう)
  • 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
  • 真武湯(しんぶとう)
  • 六君子湯(りっくんしとう)
  • 八味地黄丸(はちみじおうがん)

ただし、自分に適した漢方薬を探すことが大切です。漢方の専門家に相談して、自分にぴったりな漢方薬を見つけてください。そして、だるさや疲れに悩まされない健康的な体をつくっていきましょう。