夏バテに効く漢方薬は? 効果的な漢方の種類や注意点・選び方について


暑い日が続く夏、注意しなければならないのが「夏バテ」です。毎年、本格的な夏がやってくると夏バテになる人も、多いのではないでしょうか。夏バテ対策はテレビや雑誌などでいろいろ紹介していますが、「漢方薬」に注目した夏バテ対策を紹介します。

夏バテに効く漢方や漢方薬の選び方、漢方を利用する際の注意点について説明しましょう。夏バテ気味の人は、ぜひチェックしてください。

  1. 夏バテに効く漢方薬
  2. 漢方薬の選び方
  3. 漢方を利用する際の注意点

1.夏バテに効く漢方薬

漢方薬は、化学薬品が一切入っていないので、アレルギー体質の人でも気軽に利用できます。暑さによってバテてしまった体を、漢方の力で回復しましょう。夏バテに効く漢方薬をいくつか紹介します。

1-1.夏バテ対策に飲んでいる人が多い「済暑益気湯(せいしょえっきとう)

夏バテ対策に効果的と言われている漢方薬が、「済暑益気湯(せいしょえっきとう)」です。なかなか聞いたことのない名前ですが、多くの人が夏バテ対策として活用しています。漢方薬は、何種類かの生薬で構成しており、生薬の種類や量によって効果は異なるものです。済熱益気湯(せいしょえっきとう)には、主に、漢方で有名な人参(にんじん)や麦門冬(ばくもんどう)、陳皮(ちんぴ)、甘草(かんぞう)、当帰(とうき)などが入っています。

水分の代謝異常を抑える、汗を止める、血の働きをよくするなど、さまざまな効果が期待できるでしょう。体がだるい、顔や手足がほてる人におすすめの漢方です。暑さで弱った胃腸を正常な働きにしてくれるので、食欲不振や下痢で悩んでいる人も最適な漢方になりますよ。

1-2.体調を整える「六君子湯(りっくんしとう)」

漢方薬の六君子湯(りっくんしとう)は、体調を整え、胃腸の働きを改善する効果があります。生薬は、滋養強壮効果のある人参(にんじん)や、のぼせを治す半夏(はんげ)、胃腸の働きをよくする生姜(しょうが)など、さまざまな種類が入っているのです。暑い日が続くと食欲がなくなり、胃腸の働きも低下するでしょう。

貧血や下痢傾向のある人は、さらに症状が悪化してしまいます。体調を整えてくれる六君子湯(りっくんしとう)は、胃腸が弱い人や虚弱体質、疲れやすい、貧血・下痢気味の人におすすめの漢方薬です。当てはまる人は、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

1-3.夏バテ気味の体が元気になる「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」

夏バテ気味になると、元気がなくなりますよね。何をするにも気力が出なくなるでしょう。そこで、おすすめしたい漢方薬が、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」です。補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は、胃腸の働きを高め、体力を正常に戻してくれます。

1年中飲んでいる人もいる漢方薬であり、体力がない人におすすめです。人参(にんじん)や炎症を抑える柴胡(さいこ)、のどの痛みを治す升麻(しょうま)などが入っています。疲れやすい、食欲不振、頭痛や貧血、微熱、動悸(どうき)、不安感が長く続く人にもおすすめですよ。体力が回復するので、体が元気になります。

2.漢方薬の選び方

2-1.体質や症状を見て選ぶ

最初に説明したとおり、漢方薬は生薬の数や組み合わせ、量によって効果が異なるものです。「友人や家族に効果が現れたのだから、自分にも効果がある」と考えてはいけません。人それぞれ、体質や症状は異なります。あなたの体質は、効果が現れた人とは違うのです。そのため、自分の体質や症状に合った漢方薬を選ばなければなりません。

夏バテでどのような症状が出るのか、体力がない、弱りやすい体質なのか、改めて自分自身と向き合ってみてください。そして、自分の体質・症状に合った漢方薬を選びましょう。

2-2.漢方薬局や漢方に詳しい医師に相談する

漢方に詳しくない人は、自分に合っていない漢方薬を選ぶ可能性があります。せっかく飲み続けていたのに、効果がなければ意味がありません。中途半端な知識で選ぶよりも、漢方に詳しい人へ相談しましょう。漢方薬局では、漢方に詳しい人がいるので安心して相談できます。自分の体質や症状を、できるだけ細かく伝えてください。漢方薬局の人が、あなたに合った漢方薬を選び出してくれます。

何かわからないことがあれば、気軽に尋ねてみるとよいですよ。漢方に関する知識が習得できる場所でもあるので、疑問に思ったことは聞いてください。相談した方が、効率的に夏バテ対策ができます。

3.漢方を利用する際の注意点

3-1.飲み続けることが大切

漢方薬を利用する際、「毎日飲み続けること」が大切です。薬のように飲んでから即効性があるもの、長く飲み続けることで効果が現れてくるものなど、漢方の種類によって異なります。夏バテは、繰り返す恐れがあるので、できるだけ毎日漢方を飲み続けてください。飲み続けることで、夏バテしない体質に改善できます。漢方そのものが、体質改善が目的としているのです。

そのため、夏バテになりにくい体質に改善していきましょう。人によって、漢方独特の苦味が嫌に感じる人もいます。なかなか飲めない人は、粒状になっている漢方もあるので安心してください。自分が長く飲み続けることができるタイプを、選びましょう。

3-2.規則正しい生活習慣が基本

夏バテ対策には、規則正しい生活習慣が必要不可欠です。十分な睡眠、栄養バランスが整った食事、適度な運動の3点セットを心がけていきましょう。激しい運動が苦手な人は、ストレッチやウォーキングでも構いません。お風呂あがりのストレッチは、基礎代謝をあげてくれるでしょう。

日々の生活が悪いと、漢方薬を飲んでも効果がなかなか現れないケースがあります。漢方薬の力を十分発揮するためにも、日々の生活習慣を見直し、改善していきましょう。

特に、夏バテの場合は「食生活」が大きなポイントになります。水分補給をこまめにとり、栄養バランスが整った食事を心がけてください。食欲不振になりがちですが、しっかり食事をとらなければ栄養失調になってしまいます。エネルギー源が補給できないので、注意してくださいね。

まとめ

夏バテに効く漢方薬や漢方薬の選び方、漢方を利用する際の注意点について説明しました。毎年夏バテになってしまう人は、ぜひ自分に合った漢方薬を活用してください。漢方薬の中には、夏バテに効果的な種類がたくさんあります。効果を実感するには、自分の体質・症状に合うかどうかが、大きなポイントになるでしょう。

  • 夏バテ対策として飲んでいる人が多い「済暑益気湯(せいしょえっきとう)」
  • 体調を整える「六君子湯(りっくんしとう)」
  • 夏バテ気味の体に元気を与える「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」
  • 体質や症状を見て漢方薬を選ぶ
  • 漢方薬局や漢方に詳しい医師へ相談する
  • 飲み続けることが大切
  • 規則正しい生活習慣が基本

以上は、ぜひ押さえておいてほしいポイントです。漢方について正しい知識を身につけてから、上手に利用してくださいね。自分に合った漢方薬を飲み続けると、夏バテしにくい体質に改善できるでしょう。夏バテに効く漢方薬を、ぜひ利用してみてください。

監修者

医心堂薬局 店主 佐竹康秀

佐竹 康秀
医心堂薬局 店主

薬剤師・日本漢方連盟会員・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

星薬科大学を卒業後、漢方の道へ。同時に鍼灸の勉強も開始。平成4年に医心堂薬局を開局。漢方歴33年・鍼灸歴30年
「それは本当に患者様のためですか?」を常に考え治療をしている。

医心堂薬局総本店店 石川篤

石川 篤
医心堂薬局総本店 店長

薬剤師・日本漢方連盟会員・生活習慣病予防士

東京薬科大学卒業/漢方歴24年
「お客様の笑顔」を創出するため、漢方だけでなく食事・考え方など、一人一人に合ったアドバイスを提供。医師・薬剤師を対象とした漢方講座も行っている。