漢方薬でアレルギー体質改善ができるか徹底検証


アレルギーにはつらい症状が多いものです。同時に、対症療法として用いる軟膏(なんこう)などの副作用に不安を感じる人も多いことでしょう。そこで、注目したいのが漢方薬でアレルギーを治すことができるのかという点です。実際のところ、アレルギー体質改善のために漢方薬にはどれほどの効果を期待できるのか検証してみました。

  1. 漢方医学から診(み)たアレルギー体質の原因
  2. 漢方薬でアレルギー体質を改善できるか
  3. アレルギー体質の改善に使われる漢方薬

1.漢方医学から診(み)たアレルギー体質の原因

1-1.悪いものがたまることによるアレルギー体質

体によいものを取り入れようとしていても、やはり体には「毒素」がたまっていくものです。化学調味料や添加物を多く含むものを食べることもその原因でしょう。漢方医学の視点からいえば、そのような毒素がたまった状態を臓毒証(ぞうどくしょう)体質と呼びます。そのような毒素が体にたまっていき、アレルギーの反応がおきやすい体質になっているのです。

1-2.肝臓の不調によるアレルギー体質

肝臓は解毒(げどく)を行う臓器(ぞうき)です。この肝臓の解毒(げどく)の働きがスムーズに働かないなら、毒素が体にたまりやすくなります。このような体質が漢方医学でいうところの解毒証(げどくしょう)体質であり、アレルギーの原因のひとつです。毒素が関係している点で臓毒証(ぞうどくしょう)体質と似ているように思えるでしょう。しかし、体の虚弱(きょじゃく)などの症状を併(あわ)せて考えたとき、根本原因が臓毒証(ぞうどくしょう)とは違うことがわかります。つまり、原因が肝臓にあるなら臓毒証(ぞうどくしょう)とは対処方法も違うわけです。解毒証(げどくしょう)体質では肝臓の働きが弱い結果として体の抵抗力が弱り、アレルギー反応を引き起こしやすくなります。

1-3.血液の流れが悪いことによるアレルギー体質

漢方医学の視点からいえば、血液の流れが悪いことはさまざまな病気の原因です。もちろん、血液の流れが悪くなる原因はさまざまですが、結果として炎症や痛みが生じます。このように血液の流れが悪い状態が、漢方医学でいう瘀血証(おけつしょう)体質です。アレルギーの症状が続くと気持ちもしずむものですが、漢方医学の視点ではそのような暗い気分も血液の流れが悪いことが原因とされています。

2.漢方薬でアレルギー体質を改善できるか

2-1.漢方薬で症状を軽減する

漢方薬の基本的な考えかたは、原因への対処によって根本的な治療をすることです。しかし、漢方薬には即効性もあることを忘れてはいけません。たとえば、有名な漢方薬には葛根湯(かっこんとう)があります。風邪のときに飲んだことがある人もいるでしょう。葛根湯(かっこんとう)を飲むと、すぐに体がポカポカしてきたという経験はありませんか。この例からもわかるように、漢方には即効性があるものも数多く存在するのです。きちんと漢方医の診断を受けて適切な漢方薬を飲むなら、アレルギー症状への即効性も期待できます。

2-2.漢方薬で自律神経の調節を行う

アレルギー体質は自律神経の不調と大きなかかわっています。自律神経とは、交感(こうかん)神経と副交感(ふくこうかん)神経のバランスをとる働きがあるものです。このバランスがくずれると、体が正常な反応をしなくなります。もちろん、自律神経を正常にするためには、生活のバランスをきちんとたもつことが重要です。とはいえ、規則正しい生活をしていてもストレスなどにより自律神経が弱くなり、アレルギー体質になることもあるでしょう。そのようなときには、交感(こうかん)神経の働きを助けるために漢方薬を用いることをおすすめします。

2-3.漢方薬で体の反応を正常に近づける

漢方医学の基本的な考えかたは、原因を根本的に治すというものです。すでに考えたように、アレルギー体質の原因には臓毒証(ぞうどくしょう)、解毒証(げどくしょう)、瘀血証(おけつしょう)などがあります。このような体質は、体が正常に機能していないことによるものです。漢方薬では、そのような体の不調な状態を正常に戻すための治療をおこなうことになります。西洋医学では症状を軽減するためだけの対処となる傾向があるため、アレルギー体質改善などの慢性的な問題を解決するには漢方医学がおすすめできるわけです。

3.アレルギー体質の改善に使われる漢方薬

3-1.アレルギー体質に即効性のある漢方薬

アレルギーの症状を和(やわ)らげるために用いる代表的な漢方薬としては、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)があります。小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は、花粉症などのアレルギーに悩んでいるかたにおすすめしたい漢方薬です。8種類の生薬(しょうやく)が構成されていますが、特に麻黄(まおう)は交感神経を助ける効果があります。また、半夏(はんげ)や五味子(ごみし)などもアレルギー症状をおさえる働きがあるのです。小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は、このような生薬を含むため、アレルギー性鼻炎やアレルギー結膜炎にも広く用いられています。発汗作用により熱や痛みを発散(はっさん)するため、風邪のときに用いることもおすすめです。

3-2.アレルギー体質の根本改善におすすめの漢方薬

アレルギー体質のための漢方薬としてもうひとつおすすめなのは、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)です。特に解毒証(げどくしょう)体質、つまり肝臓の働きが弱く虚弱(きょじゃく)体質の場合には大きな効果が期待できるでしょう。アレルギー性鼻炎やアレルギー性皮膚炎、また食物アレルギーなどにも効果があるとの報告があります。黄芩(おうごん)や黄柏(おうばく)といった生薬が配合されており、特に炎症をしずめる点での効果は大いに期待できるのものです。ただし、胃腸が弱い人はむやみに荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)を服用すると症状が悪化することもあるため注意してください。

3-3.自分にあった漢方薬を選ぼう

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)や荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)は、アレルギー体質改善への大きな効果が期待できる漢方薬です。とはいえ、漢方医学の見方からすると、人それぞれの体質をしっかり確認して生薬を配合するならさらに大きな効果を期待できるでしょう。ですから、どうぞ信頼できる漢方医に相談して最も適切な漢方薬を処方してもらうようにしてください。オンラインでも相談にのってくれる漢方医はたくさんいます。ぜひ自分にあった漢方を見つけるようにしましょう。

まとめ

漢方薬は原因への対処を行うのが基本的な考えです。しかし、上手に用いるならアレルギーの症状への即効性も期待できます。大きな効果を得るためにも、自分のアレルギー体質の原因を知り、自分にあった漢方を見つける必要があるでしょう。

漢方医学の視点からいえばアレルギー体質となる原因には、

  • 毒素が体にたまることによるもの
  • 肝臓の機能が低いことによるもの
  • 血の流れがよくないことによるもの

などがあります。

そのような体質と実際のアレルギーの症状を漢方医に診(み)てもらうことにより、自分に最もあった漢方薬を見つけることができるのです。どうぞ信頼できる漢方医にまずは相談してみてください。