漢方薬は体調を測るものさし「証」で決まる!服用する4つのポイント


病気の治療・体質改善・アレルギー疾患の緩和などを目的に、漢方薬を取り入れる動きが進んでいます。漢方薬の多くは中国由来とされていますが、日本独自で体系化した医学の1つでもあるのです。漢方薬は西洋医学と同様に、医療現場でも処方されるようになってきました。
漢方薬の使用には、西洋医学の知識だけで決めず、患者それぞれの体質や症状を見極めながら処方することが求められます。長く西洋医学で治療を続けてきたけれど、改善の傾向が見ることができない患者が、漢方薬を取り入れたところ症状が緩和したという報告も数多くあるのです。
この記事は、体調不良に悩む方や漢方薬での治療を始めたいと思っている方に、漢方薬への理解を深めていただくことを目的にしています。漢方薬だけに偏らず、西洋薬と併用するなど薬を上手に使いわけることも大切です。

  1. 漢方薬とは?
  2. 症状別使用例
  3. 漢方薬の飲み方
  4. 注意点
  5. 相談できる漢方薬局紹介
  6. よくある質問
  7. まとめ

漢方薬でも起こりうる副作用や症状に適したものを紹介します。安全で安心な服用を心がけるためにも、理解や知識を持つようにしてください。

1.漢方薬とは?

漢方は、日本伝統医学の1つです。漢方を中国医学と捉(とら)える方も多くいますが、中国伝統医学は中医学であり、日本伝統医学である漢方とは異なります。

1-1.歴史

漢方の起源は古代中国医学にありますが、日本に漢方の考え方が伝わってきたのは5〜6世紀のこと。日本の気候や日本人の体質に合うように改良を加え、独自の発達をしてきたのが現在の漢方薬です。
現在のように漢方薬局が広まり、一般的に認知度が高まるまでは、医療機関での取り扱いはあまりされませんでした。しかし、1976年ごろから保険適用される漢方薬が増え、医療機関での処方が急速に高まってきたのです。

1-2.西洋薬との違い

西洋薬は生薬から有効成分だけを取り出し、化学生成したものを指します。特定の症状に作用する目的で作られ、即効性があるけれど副作用も起こりやすいのが特徴です。形状は錠剤・カプセル・シロップ・坐薬(ざやく)などさまざま。病気の原因を検査し、病名を決めてから処方されるのが一般的です。病名が同じなら、どの患者にも同じ薬が処方されます。
一方、漢方薬は複数の生薬を配合し、作用は穏やかで比較的副作用が出にくいのも特徴です。形状は、エキス・丸剤など。人の体を構成する「気」「血」「水」のバランスを見て処方内容を決めるのが漢方の考え方で、病名が同じでも人によって違う漢方薬を用います。漢方薬で体全体の免疫力を上げ、体調改善や症状緩和を目指すものです。

1-3.豆知識

漢方薬は、体質を測るものさしとして「証」があります。証は人それぞれの症状や体質を現すもので、「陰陽」と「虚実」の2つです。体格・体質・体力・精神状態によりわかれ、「気」「血」「水」と合わせて総合的に判断します。
西洋医学で病名が異なる患者でも、証が合うなら同じ漢方薬が処方されることもあるのです。

1-4.漢方医について

日本東洋医学会では、認定漢方医制度を2005年より設けています。制度で定められた専門医試験に合格後、漢方専門医として名乗ることが可能です。専門医にはあたりませんが、認定医という制度もあります。認定医は専門医とは異なり、広告掲示ができません。

2.症状別使用例

何だか体調が優れない・原因がわからないけれど何とかしたい……悩みを抱える方にとって、漢方薬が拠(よ)り所になることがあります。西洋薬では効果がなかったという方、美容への関心が高い方にも注目されているのが漢方薬です。症状別に効果があるとされている漢方薬をご紹介します。漢方薬は、ツムラやクラシエから販売されているものが多いので、ぜひ参考にしてみてください。

2-1.ダイエットには肥満体質の見分けから

皮下脂肪が腹部に溜(た)まりやすい固太りタイプは、便秘がちでむくみも目立つ傾向があります。高血圧を患っている方も多いことでしょう。体内に蓄積した毒素の排出を促す防風通聖散がおすすめです。
肥満でも体力がなく、水太りなタイプには防巳黄耆湯で水分代謝を改善する方法がいいでしょう。汗っかきな方も多い肥満体質で、水分を排出してむくみを取り除きます。

2-2.妊娠しやすい体作り

漢方薬の服用で、妊娠力を高める効果を期待する方が増えています。低体温や生理不順などがきっかけで妊娠しにくい体質になっていることがあり、体質改善を目指して妊娠しやすい体に導いてくれるのです。
不妊に向いている漢方薬は、補中益気湯・加味逍遙散など。子宮温度を高めて安定し、血流も改善してくれる作用があります。漢方薬の服用だけではなく、体を温める工夫も合わせて行うと効果的です。

2-3.アトピー性皮膚炎の緩和

アトピー性皮膚炎は食生活や生活習慣の見直しを行い、漢方薬を使うと症状が緩和します。アトピー性皮膚炎の治療にはストロイドを使うのが一般的ですが、強い薬は使いたくない・西洋薬に抵抗があるなどの理由で、漢方薬を選ぶケースもあるのです。
それぞれの体質を見極め、十味敗毒湯・白虎加人参湯などが用いられます。肌の表面温度を下げ、炎症を鎮める効果が期待できる漢方です。

2-4.めまいは早めに改善を

めまいには、起立性めまい・浮動性めまい・回転性めまいなどがあります。起立性めまいは立ちくらみや低血圧で、苓桂朮甘湯が効果的です。ふらつくような浮動性めまいは冷え性や動悸を伴うことが多く、真武湯でふらつきの改善が期待できます。目の前がグルグルと回るような回転性めまいには、沢瀉湯を使用すると症状が緩和できるでしょう。
めまいのタイプを判別するために、発症時の様子は必ず問診の際に伝えてください。めまいは放置して悪化するケースや、深刻な症状が隠れている恐れもあります。なるべく早めの改善が大切です。

2-5.女性に多い便秘の悩み

便秘に悩む女性や高齢者は多くいます。腹筋が弱く、便を排出する力が衰えているためです。便秘薬に頼る方もいますが、服用を繰り返しているうちに自力で排便することが難しくなるケースもあります。

2-5-1.慢性便秘

便秘以外に大きな問題がなく、便が出ないことが慢性化しているなら、大黄甘草湯でお腹(なか)の張りなどを改善することができます。便秘による吹き出物の解消にも役立つ漢方です。

2-5-2.便が硬い

便が腸内に停滞している時間が長くなると、水分が失われて硬くなってしまいます。コロコロした便で出にくい悩みや、痔(じ)を伴う便秘には麻子仁丸がおすすめです。便秘が続くと頭痛を感じる方もいます。頭痛やのぼせなど併発する症状緩和にも効果的です。

2-6.やさしくがんを治療

がんの治療には、西洋医学では放射線や抗がん剤を使うのが一般的です。漢方を併用することで、がんに対する抵抗力が高まるとされています。

2-6-1.産婦人科は早期服用がポイント

女性特有の病気とされている子宮体がんと子宮頸(けい)がんは、がんが進行する前の早期に服用を開始することを重視しています。子宮頸(けい)がんの発症率はとても上がってきており、若年傾向が強くなってきている病気です。自覚症状も出にくいとされています。
抗がん作用があると知られている天仙湯で、子宮がんや子宮頸(けい)がんを克服するケースもあり、化学療法と合わせて注目されている治療法です。坐薬(ざやく)にした漢方薬も出ています。

2-6-2.早期発見治療が大切な皮膚がん

皮膚がんには、表皮がんとメラノーマ(悪性黒色腫)があります。いずれのがんも早期発見し、早期治療することで進行を抑えることが可能です。皮膚がんにおける漢方の役割は、化学療法による副作用軽減と体力回復が目的で、抗がん剤治療で完治に導くための助けとなります。

2-6-3.消化器機能改善にも期待

近年、ピロリ菌が話題になり、胃がんリスクも上昇しています。開腹手術を伴うケースもあり、抗がん剤や放射線治療による体への負担を軽減するために漢方を用いるようになりました。胃腸の働きを改善する補中益気湯もおすすめです。
漢方薬の服用で発症したがんが小さくなることはありませんが、腫瘍マーカーが正常になる・食欲が回復した・疲労感を抱かなくなったなど、改善した症例も多く報告されています。服用開始後、10〜15日で体調の改善を感じる例が多く、がんの再発予防に服用を継続することもあるでしょう。

2-6-4.神経内科でも漢方薬を取り入れている

神経内科では、パーキンソン病・脳卒中・筋ジストロフィーなど脳や脊髄に問題を抱える患者が多いものです。神経内科でも患者から訴える症状をもとに、全体的なバランスの崩れを取り戻して体調改善を促す目的で、漢方を取り入れています。
神経内科と漢方内科の両方を標榜(ひょうぼう)している病院も数多くあるので、漢方を取り入れた治療を受けたい方は参考にしてみてください。

3.漢方薬の飲み方

漢方薬は作用が穏やかであり、西洋薬に比べて副作用が起こりにくいとされています。漢方薬の効き目をよくするためには、飲み方を意識しておくといいでしょう。

3-1.漢方薬もきちんと飲まなくては効果が出ない

漢方薬と聞くと、西洋薬より気軽なイメージを持っている方も多いと思います。気が向いたときに飲めば大丈夫と思い込んでいる方がいるなら、誤った飲み方をしている可能性が高いでしょう。
漢方薬は白湯(さゆ)で飲む・煮出して飲む・空腹時など時間を選ばなくてはいけないなど、面倒な印象が強いと思う方もいます。しかし、適切な薬効を得るためには正しい手順で飲むことが必要です。
白湯(さゆ)で飲むのは、漢方薬の成分を効率良く吸収するため。お茶やコーヒーなど不純物が含まれているものでは、漢方薬がきちと作用しないからです。白湯(さゆ)だと香りが気になるという方は、水で飲んでも構いません。

3-2.空腹時がいいのはなぜ?

漢方薬は、食間または空腹時の服用が最適だとされています。医師から特別な指示がない限り、同じように服用してください。
食間または空腹時がいいとされている理由は、最も体内に吸収されやすい時間帯であるからです。漢方薬の袋には必ず飲み方が記載されていますので、参考にして服用するようにしてください。

3-4.使用期間や期限はどのくらい?

漢方薬は食品と同じように使用期間が設けられています。袋に記載された使用期間を確認し、期限が過ぎたものは服用を避けてください。
使用期間が過ぎたものは、思わぬ副作用が起こって症状が悪化するケースもあります。長い間保管したままの漢方薬を飲み直そうとする方もいるでしょう。しかし、漢方薬は体調・体質・症状に合うものが処方されているので、処方されたときと状態が変わっているなら使用すべきではありません。
保存シートが添えられ、5年程度保管可能な漢方薬もあります。手元に古い漢方薬が残っている場合、使用期限に問題がないか・自分の体調に合うかどうか、漢方医や漢方薬局に相談する方がいいでしょう。

4.注意点

作用が穏やかな漢方薬でも、服用方法や誤った使用をすることでかえって体調不良を引き起こすこともあります。特に、お子さんや妊娠中の方は、漢方薬の安全性を心配される方も多いものです。知っておきたい副作用などをまとめてみました。

4-1.漢方薬にも副作用はある

西洋薬より副作用が起こりにくいとされていますが、起こらないわけではありません。また、それぞれの体調を測るものさしである「証」に合わない漢方薬だと、胃腸障害やアレルギー反応など異変が起こりやすいとされています。食欲不振・発熱・じんましん・むくみ・動悸(どうき)・高血圧・不眠などの体調不良を感じたら、すぐに医療機関や漢方薬局へ相談してください。

4-2.証に合う漢方薬はおいしく感じる

漢方薬が体に合うかどうかは、体調不良で知る前に味覚でも感じ取ることができます。漢方薬は苦い・独特の風味があるなどのイメージを持たれがちですが、証に合う漢方薬はおいしいと感じる方が多いものです。
体に合うということは、体が漢方薬を求めていた証拠。おいしく感じるかどうかでも、合う合わないを判断できるポイントになるでしょう。

4-3.お子さんは漢方薬を飲める?

お子さんは、アトピー性皮膚炎・湿疹(しっしん)・喘息(ぜんそく)・アレルギー性鼻炎・夜泣き・てんかんなど悩みを多く抱えています。西洋薬を使い続けるのは不安と感じるという方もいるでしょう。
お子さんでも漢方薬の服用はできますし、大人より料金が安く済みます。漢方薬の処方は、体型・年齢によっても異なりますので、気になる方は漢方薬局へ相談してみるといいでしょう。

4-4.妊娠・授乳中の服用は安全?

妊娠・授乳中は胎児への安全を考慮して、控えておきたい漢方薬もあります。ただし、妊娠・出産で体調が変化しやすい時期は、むくみ・つわり・便秘・貧血・精神不安などに効果がある漢方薬の処方がおすすめです。
産後は体調が安定せず、母乳の出が悪い・体力低下・乳腺炎・脱毛・便秘などを引き起こす方も多いので、漢方薬でホルモンバランスを崩さないようにするといいでしょう。

5.相談できる漢方薬局紹介

漢方薬局選びは、実績のある信頼性の高い医心堂薬局がおすすめです。来店して相談する方法以外に、メールや電話での対応もしています。遠方からでも相談でき、土曜日と日曜日も営業しているので、忙しい方でも安心です。
体質・症状をしっかり問診し、体調不良の原因を突き止めます。証に合う漢方薬を処方するためのステップを大切にしており、健康維持を目的とする方にもおすすめです。相談は無料ですので、気になる方はぜひ来店してみてください。
不妊で悩む方も、漢方薬で子宝に恵まれたという声も多くあります。体質改善は、健康管理の1つです。健康維持の一環として、気軽に足を運んでみましょう。

6.よくある質問

漢方薬を始めたいという方が気になる質問をまとめてみました。安心して服用開始できるよう、参考にしてみてください。

6-1.服用する期間はどのくらい?

それぞれの体調により、漢方薬の処方は異なります。風邪のような感冒症状でも漢方薬を服用することもありますが、数日で飲み終えることが可能です。
しかし、生活習慣病・ホルモンバランスの安定・消化器疾患・アレルギー症状などの場合、3か月以上の長期間服用することが求められます。体質を根本的に改善するためです。症状改善の兆しが出てきたら、指示に従って服用量を調整して減量する方法が取り入れられます。
どんな場合も自己判断せず、漢方医や漢方薬局へ相談してください。

6-2.ほかの薬との併用は問題ないか

漢方薬も西洋薬と同様に、ほかの薬との飲み合わせを意識しなくてはなりません。漢方薬同士でも相性がありますので、処方は必ず守るようにしてください。
ほとんどのサプリメントは漢方薬との併用は可能ですが、処方を受ける前に必ず申し出るようにしましょう。安全に服用を続けるために大切なポイントです。

6-3.市販の漢方薬と漢方薬局はどう違う?

ドラッグストアでも気軽に漢方薬を購入できるようになりました。しかし、市販の漢方薬を購入する場合、病名で探すことが多いはずです。漢方薬の基本的な考え方は、それぞれの証に合うものを処方すること。漢方薬局では証を見て判断し、ピンポイントで気になる症状を改善できるでしょう。
市販の漢方薬でなかなか改善しない方は、漢方薬局へ相談すると安心です。

7.まとめ

いかがでしたか?漢方薬は、本当に安全なのかと不安を感じている方も多いはずです。体調不良を感じて病院で処方された西洋薬を飲み続け、なかなか改善しないこともあります。
漢方薬の基本的な考え方は、気・血・水という人それぞれが持つ体質を考慮した「証」に合うものを処方すること。証に合う漢方薬を吸収のいい食間・食前に服用してみてください。
生活習慣病や不安定なホルモンバランスを目的とした場合、3か月以上服用することもあります。漢方薬は、信頼できる漢方医や漢方薬局で処方を受けると安心です。健康管理の1つとして取り入れ、正しい知識と理解を持って漢方薬の服用を心がけましょう。