坐骨神経痛・ぎっくり腰・椎間板ヘルニアによる腰痛の治し方をご紹介


女性でも男性でも、腰に痛みを抱えている人は多いですよね。ズキズキ・ジンジン・ズーンと重たい感じ。原因により痛み方も異なります。背中まで広がる痛みもあるでしょう。
痛みが慢性化しているけれど、ほかに悪い病気があるのでは?あなたが抱える健康への不安、とてもよくわかります。腰は体を支える大切な場所。痛みがあることで姿勢も悪くなり、ほかの部位にまで影響をおよぼしかねません。
今回は、腰痛の原因や考えられる病気について。体の健康を守るためには、自分でも知識を持つこと予防となります。深刻な症状を引き起こす前に、ご自身の症状と照らし合わせてみてください。

  1. 腰痛症とは?
  2. 腰痛の種類・主な症状・原因について
  3. 重大な病気が隠れている危険な腰痛
  4. 女性特有の腰痛
  5. 腰痛の治療法
  6. 腰痛の解消法
  7. 腰痛に効く漢方
  8. 腰痛の予防法
  9. 腰痛でよくある質問

この記事を読むことで、腰痛緩和や病気の早期発見につながるでしょう。

1.腰痛症とは?

腰や背中の痛みを腰痛症と定義しています。腰の痛みは時に我慢できないほど強く、対処に困ることも珍しくありません。また、慢性化した痛みを持っている方は、いつものことと軽視しているケースもあります。

1-1.腰痛はどんなものを指す?

腰痛の多くは、急な動きやひねる動作が加わったことで発生しやすいものです。ぎっくり腰などの急性腰痛が代表的。姿勢が悪いことで筋肉に負荷がかかり続け、腰椎などの筋肉が弱り、慢性腰痛症を引き起こすこともあります。
腰痛には、急性と慢性があることを覚えておきましょう。

1-2.腰痛を引き起こす主な原因

腰痛の原因となるのは、病気ばかりではありません。生活の乱れや日々の何気ない仕草が連動していることも考えられます。

1-2-1.筋力の弱さや疲労によるもの

だるさを感じるのは、長時間同じ姿勢を続けることによる筋肉疲労です。立ち仕事や中腰での姿勢も注意すべきポイント。同じ姿勢を続け、血流が悪化してしまうことが原因となります。まめにストレッチを行い、姿勢を改善することで腰の痛みが緩和するでしょう。
普段から体を動かすことがない方だと、筋力が低下しがちです。背中を支える筋肉が弱り、猫背になりやすいため、腰痛の引き金になります。

1-2-2.十分な睡眠が得られていない

寝具は体に合うものを使用していますか?適度な硬さがあるマットレスは痛みを緩和し、睡眠の質も改善してくれるでしょう。痛みを感じている方は、マットレスが腰痛の原因だったという事例も多く報告されています。
また、寝具が体に合わないことで、熟睡できないという悪影響もおよぼすのです。深い睡眠が得られず、体を十分に休めることができないなら、疲労の蓄積にもつながります。睡眠環境の見直しをし、腰痛改善に生かしてみてください。

1-2-3.体の歪(ゆが)み

知らず知らずに姿勢が悪くなっている人は、骨盤の歪(ゆが)みが発生しやすくなります。骨盤の歪(ゆが)みは血流の原因となり、神経も圧迫して腰の痛みとなってしまうのです。骨盤が正常な位置からずれることで、背骨や腰椎の位置まで影響をおよぼします。腰の痛みに留(とど)まらず、手足のしびれ・肩こりを感じることもあるでしょう。

1-2-4.心因性のもの

意外と知られていないのは、ストレスが腰痛の原因となっているもの。腰の痛みを感じ、原因を探っても異常が見つからない場合は、ストレスを疑ってみてください。ストレスによる腰の痛みは、慢性化しやすいのが特徴です。
発症部位も日々変化し、痛みの度合いも変わりやすいでしょう。通常の治療ではあまり改善しない場合や薬が効かない場合、心因性腰痛を引き起こしている可能性が高いものです。

1-2-5.内臓疾患が引き金になる

外的要因によって腰痛が起こると考えられがちですが、胃・腎臓・肝臓・女性器などの内臓疾患でも腰痛を発症します。内臓の痛みが放散痛となって、本来関連のない腰に痛みが飛ぶこともあるでしょう。内臓の痛みを脳が誤認し、腰の痛みを発生する関連痛もあります。
腰の痛みだけに注目し、内臓疾患が腰まで広がっていることもあるので注意してください。普段から腰以外の症状がないかなど、気になるポイントを見つけることも大切です。

1-3.主な腰痛症状

腰の痛み方はさまざま。寝具が原因となっているなら、目覚めたときに体の動きが悪くなります。いつどのような症状を感じるのかを自覚し、受診するポイントにしてみてください。

1-3-1.腰だけに激しい痛み

腰だけに激しい痛みを感じるのは、急性腰痛の可能性が高いでしょう。立つ・座るといった動作に支障をきたし、歩行が困難になることもあります。

1-3-2.手足のしびれを伴う痛み

姿勢を変えると痛みが増す・手足のしびれを感じる・くしゃみや咳(せき)をすると響くような痛み。しびれがある痛み方は、ヘルニアを発症している可能性が高いでしょう。腰の椎間板ヘルニア以外に、首の頚椎椎間板ヘルニアも起こります。

1-3-3.だるくて重たい

急性腰痛の激しい痛みとは異なり、だるくて重たい痛みを感じることはありませんか?特徴は、体を動かすことで痛みが徐々に緩和すること。柔らかいマットレスを使用している方は、寝起きのだるさを感じることが多いでしょう。

1-3-4.体を反らすと感じる痛み

腰痛の中でも、体を後ろに反らすことで強くなる症状があります。前傾姿勢だと緩和し、歩行時に痛みが強くなるのが特徴です。腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症・脊椎分離症などの病気が隠れている恐れがあります。

1-4.腰痛になりやすい人の特徴

腰痛は同じ姿勢を繰り返すと起こりやすいため、傾向を知っておきましょう。

1-4-1.姿勢が変えられにくい職種は注意

腰痛を起こしやすい職種についている方は、適度なストレッチを取り入れることで緩和します。

  • デスクワーカー
  • 立ち仕事が中心の販売員
  • 長距離のトラック運転手や配送業者

 1-4-2.激しい運動にも注意

適度な運動は血流改善に役立ちます。しかし、激しい運動には注意が必要です。家事でも重たいものの上げ下ろしで腰痛を発生しやすいもの。筋肉を動かし過ぎることで疲労を感じるため、腰痛の原因となります。

1-4-3.肥満体型は腰への負荷が大きい

腰は体を支える大切な場所。肥満になると体を支える椎間板・筋肉・靭帯(じんたい)に強い負荷がかかります。肥満は健康を害するだけではなく、腰の痛みにより生活へ支障も起こるため、体質改善が痛み解消につながるでしょう。

1-4-4.栄養バランスの悪い人

規則正しい生活とともに、食生活は意識していますか?バランスの取れた食事をしていない人は、骨粗しょう症に陥りやすいため、体をうまく支えることができず、腰の痛みを感じやすくなるのです。過剰なダイエットをしている方や女性はカルシウム不足になる傾向があり、腰痛を起こしやすいので注意してください。

2.腰痛の種類・主な症状・原因について

腰痛の種類を知り、それぞれの特徴を覚えておきましょう。治し方の参考にしてみてください。

2-1.ぎっくり腰

急性腰痛症と呼ばれるのは、ぎっくり腰です。重たいものを持ち上げたときに、一瞬で大きな負荷が腰にかかることが原因。突発的に痛みを発症し、歩行や動作に支障をきたす激しい痛みが特徴です。

2-2.椎間板ヘルニア

椎間板は、骨と骨をつなぐクッション材としての役割を持っています。椎間板が柔軟に機能することで、痛みを感じないようになっているのです。何らかの要因で椎間板が破裂し、中心にある髄核が露出することで神経圧迫してしまいます。
椎間板ヘルニアが悪化した場合、手足のしびれを引き起こし、安静時も痛みを感じるようになるでしょう。

2-3.腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症

腰部脊柱管とは、背骨の間にある空間を指します。椎間という骨が重なっているのが脊椎です。腰部脊柱管には硬膜と呼ばれる神経があり、脊柱管の変形が原因で痛みを発症します。神経障害の1つに分類され、脊柱管が狭くなることが原因です。加齢とともに起こることもありますが、重たいものを持ち運びした際に起こることもあります。

2-4.腰椎分離症・すべり症

脊椎は、整然と積み上がっているのが正常な状態です。脊椎を上下にわけ、上関節突起と下関節突起にわけます。脊椎分離症では、上関節突起と下関節突起が分離する現象を指しているのです。先天的に分離している場合もありますが、運動を繰り返し行うことで起こる疲労骨折がきっかけになることもあります。比較的若い世代に発症しやすい病気でしょう。
一方、すべり症というのは、脊髄にある椎骨がずれる病気です。腰椎分離症とは異なり、分離するのではなくずれが原因。前後にずれることで痛みを発症します。すべり度合いが大きくなるほど、強い痛みとなるでしょう。

2-5.坐骨神経痛

坐骨神経とは、人間の体で最も長い神経がとおっている部位です。腰にある仙骨から始まり、梨状筋をとおって骨盤に達し、膝周辺まで伸びています。長く伸びた神経の一部に異常が発生し、腰と足に痛みを発症し、坐骨神経痛と定義しているのです。坐骨神経痛は症状の1つであり、病名そのものではありません。あくまでも腰痛を引き起こす原因の1つです。坐骨神経に影響を与える病気は、腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症。病気発症とともに、坐骨神経に違和感を抱くことでわかることが多いものです。

2-6.変形性脊椎症

腰椎分離症は若い世代に起こりやすいのですが、変形性脊椎症は高齢者に多い病気です。加齢が原因となり、中年期以降は注意すべきでしょう。閉経を機に発症した方は、骨粗しょう症を併発する恐れもあります。足のしびれを伴うケースでは、腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症と診断されるのが一般的です。
変形性脊椎症だけでは、足にしびれは起こりません。また、無自覚なまま症状が進行していることもあり、疲労が回復しない・起床時のこわばり・背中の痛みで気づくこともあります。

2-7.骨粗しょう症

骨粗しょう症は、広く認知されるようになった病気です。骨がスカスカした空洞になり、もろくなるのが特徴でしょう。衝撃に弱く、骨折しやすくなります。原因となるのは、カルシウム不足・寝たきりなどによる運動能力低下・ホルモンバランスの乱れなど。特に、閉経によるホルモンバランスの乱れによる発症を原発性骨粗しょう症と呼び、骨密度の急速に減少するので注意すべきでしょう。
長期薬物治療や疾患による骨粗しょう症や、ステロイド剤を長期服用することで起こるものもあります。生活習慣病により骨粗しょう症の原因は、糖尿病・慢性腎疾患・動脈硬化・COPD(慢性閉塞性肺疾患)で、体内でカルシウムの吸収が悪くなることで起こりやすくなるでしょう。

2-8.五十肩

五十肩は、肩関節周囲炎と呼ばれる病気です。可動域が炎症で制限され、中高年に起こることで知られています。原因となっているのは、肩関節のずれ。肩こりとは異なり、片側に起こるという特徴があります。手先に力が入らず、細かな作業がしにくくなり、腕が上がらないといった症状が出るでしょう。
発症当初は激痛を感じることもあり、薬で痛みを抑える方法が有効です。徐々に動かす領域を増やしていき、肩関節の癒着を防止しましょう。

3.重大な病気が隠れている危険な腰痛

腰痛には、重大な病気が原因となっているものもあります。病気は早期発見が大切です。普段とは違う症状を感じたら、早めの受診を心がけましょう。

3-1.腎梗塞

心臓に血栓ができ、脳の血管に詰まりを発症するものを脳梗塞と呼んでいます。腎臓に血栓の詰まりを起こすものを腎梗塞としているのです。腎臓は左右2つありますが、両方に梗塞が起こると尿が出なくなり、急性腎不全を引き起こします。
腎梗塞を発症した場合、発熱・悪寒・激しい脇腹の痛み・吐き気を伴うでしょう。放置し、腎臓が壊死(えし)することもありますので、早めに受診して治療しなければなりません。

3-2.急性膵炎(すいえん)

急性膵炎(すいえん)の原因となっているのは、胆石とアルコールの過剰摂取によるもの。まれに原因不明のものもあります。女性より男性に多く見ることができる症状で、左上腹部痛と背中の痛みを併発するのが特徴です。
吐き気・腹部膨満感・発熱などを感じ、脈拍が速くなる人もいます。発症してまもなく、38℃前後まで発熱し、血圧低下も招くため注意すべきでしょう。白目に黄疸(おうだん)の症状を確認することもあります。重症の場合、意識障害やショック状態に陥ることも。前触れなく発症することもありますが、油分過多な食事をした後に起こることも多い病気です。

3-3.悪性腫瘍やがんの骨転移

早期発見したいのは、悪性腫瘍やがんの骨転移による腰痛です。腰に近い大腸・肝臓・膵臓(すいぞう)などの臓器に悪性腫瘍ができ、安静時も痛みを伴うのが特徴でしょう。
50歳以降に発症リスクが高まり、体重減少・痛みの長期継続・がん病歴やがん患者が家系にいる場合は注意すべきです。
悪性腫瘍の場合、骨への転移が懸念されます。腰痛を引き起こす原因として、がんの割合は少ないもの。しかし、発見が遅れると治癒の可能性も低くなるため、早期発見早期治療が望まれます。
脊椎や脊髄に悪性腫瘍ができる場合もあり、慢性的な鈍い痛み・患部の圧痛・放散痛を感じるでしょう。症状が進行し、重篤なものは、中枢神経を冒して麻痺(まひ)を残すこともあります。悪性腫瘍が中枢神経を冒している場合、めまいや頭痛などを感じやすくなるため、1つの目安としてみてください。体の痛みの中で首や股関節より、腰痛を持っている人は発がんリスクが高まります。

3-4.腹部大動脈瘤(りゅう)・大動脈瘤(りゅう)解離

無自覚なまま症状が進行する重篤な疾患は、腹部大動脈瘤(りゅう)で動脈にできたこぶのようなもの。正常な腹部動脈は2cmで、3cm以上に膨らんだものを大動脈瘤(りゅう)としています。こぶができてしまうと、小さくなることはありません。
大動脈瘤(りゅう)ができた部位は拍動を感じ、しこりのようなものを手で確認することもあります。腰痛が起こるのは、腹部大動脈が大きく膨らんだことで周辺臓器を圧迫しているため。時に、腹痛を感じることもあります。
大動脈瘤(りゅう)で注意したいのは、破裂すること。破裂した状態を大動脈瘤(りゅう)解離と呼びます。腹部大動脈の破裂は命にかかわる重大な疾患であり、緊急手術が求められるものです。死亡率も高く、大動脈瘤(りゅう)の時点で発見して治療することが大切でしょう。高血圧の人は動脈硬化を引き起こしやすく、大動脈瘤(りゅう)の発症リスクが上昇します。

4.女性特有の腰痛

女性はライフイベントにより、腰痛を引き起こすことがあります。病気とは原因が異なり、体を温めるなどの対策で緩和することもあるでしょう。

4-1.生理痛

生理痛の症状は、人により現れ方や痛みの度合いは大きく異なります。頭痛や肩こりを感じる・吐き気がする・風邪のひき始めに似たのどの痛みなど。中でも多いのが、腰痛です。腰は卵巣や子宮に近いため、収縮や排卵による動きで痛みを伴うこともあります。
生理の前から感じる方もいますが、原因となっているのはホルモンバランスの崩れ。過剰に黄体ホルモンが分泌され、自律神経がスムーズに働かないことが引き金になります。骨盤に血液が停滞し、重たくだるい印象を受けることもあるでしょう。足のむくみ・冷え・下腹部痛を感じることもありますが、温めると血流が改善して痛みの緩和に役立ちます。

4-2.妊娠中の腰痛

妊娠は、女性にとって嬉(うれ)しいライフイベントの1つ。しかし、腰痛を起こすきっかけになります。妊娠初期は生理痛との見わけが難しいのですが、基礎体温をつけている方だと高温期が続くことで判断できるでしょう。
妊娠時特有の腰痛として挙げられるのは、日々大きくなるお腹(なか)に合わせて腰を支えることができず、立っていても横になっていても痛みを感じるようになります。お腹(なか)が大きくなり、寝返りしにくいために我慢できない痛みを感じることもあり、体重を分散するクッションなどを活用する方法がおすすめです。

5.腰痛の治療法

腰痛は薬でしのいでいるという方も多いのではないでしょうか?しかし、前述のとおり、自覚症状のないまま進行する疾患もあるため、なるべく早めに診断を受けるようにしてください。受診のポイントやセルフチェック方法をご紹介します。

5-1.何科を受診すべきか?

原因により、受診すべき科は変わってきます。骨・筋肉・関節が損傷を受けたことによる腰痛は整形外科がおすすめです。内臓疾患が原因による場合、疾患の治療を優先すべきですので、内科を受診しましょう。心因性腰痛の場合、心のケアやコントロールで緩和できることもあります。心療内科などで抗不安薬の処方を受ける・カウンセリングなどで痛みを調整していけるはずです。
腰痛の原因を自己判断するのは、とても難しいことでしょう。受診すべき科がわからない場合、まず整形外科で診察を受けてみてください。原因を探り、必要に応じて診療科の紹介を受けるといいでしょう。

5-2.腰痛の診断方法

腰痛の診断には、問診や検査を行うのが一般的です。原因究明し、病気の早期発見に生かします。

5-2-1.問診

診察で最も重きを置くのが、問診です。問診では、外傷や腰痛を引き起こすきっかけとなる出来事・日常生活での動作などを入念に確認します。検査だけでは見つけにくいことも、問診で判断できる部分が大きいのです。また、画像診断を行う前に問診をしっかり行うことで、より正確な診断に生かすことができます。

5-2-2.理学検査

理学検査では、触診・打診を行います。実際に患部に触れ、痛みの度合いや感触を確かめるのです。体の動かし方なども同時に確認し、異常がないかを判断できます。
理学検査では、骨の歪(ゆが)みや姿勢も判断材料の1つとなるでしょう。

5-2-3.神経学検査

神経の異常を確かめるため、いくつかのテストを導入しています。

  • SLRラセーグ・テスト
    腰椎椎間板ヘルニア・脊椎すべり症・脊柱管狭窄(きょうさく)症などの診断に有効。仰向け寝で両足を伸ばし、片足を持ち上げて痛みの具合をチェック。痛みがないなら、股関節に問題があると診断されることもあります。
  • ケンプテスト
    立ったまま・座位のどちらかで行い、体を固定したまま内側に曲げる動作を加えます。腰椎椎間板ヘルニアの位置を判定するのに役立つ検査です。
  • 反射テスト
    膝下(ひざした)とアキレス腱(けん)を叩(たた)いて反応を見ます。座位で行うのが一般的。脊髄を経由した情報を得ることができ、反射能力が落ちている部位の判定に生かすことができます。

5-2-4.画像診断

  • レントゲン検査
    骨の変形や歪(ゆが)みを確認します。正面だけではなく、横・斜めなど多角度から撮影して診断に生かすものです。

  • CT検査
    レントゲンより詳細な内容を把握できます。CTは、コンピューター断層検査の意味。体を立体的かつ断層撮影し、より精細な内容を確認することができます。脊柱管の広さを確認し、組織の硬さにかかわらず映し出すことが可能です。

  • MRI検査
    MRIとは、核磁気共鳴画像診断のこと。レントゲンやCTだけでは診断しにくい場合に用いられます。神経や靭帯(じんたい)などの細かく柔らかな組織診断に役立つ検査です。周辺臓器まで鮮明な画像表示が可能で、病気の早期発見に生かすことができます。

  • 造影検査
    造影剤を使った検査です。レントゲン・CT・MRIのどの検査でも造影剤を使うことがあり、患部のコントラストを明確にしてより鮮明な画像診断に生かすことができます。脊髄造影検査・神経根造影検査・椎間板造影検査などが代表的です。

5-3.セルフチェックポイント

痛みや違和感を抱いたまま過ごし、重大な病気を見逃してしまうこともあるでしょう。受診をためらっている方も、下記のチェックポイントにあてはまるなら、病院へ行くきっかけにしてみてください。

  • 横になったときに痛みがある
  • 痛みで眠れない
  • 3日以上継続して強い痛みに襲われている
  • 発熱や悪寒がする
  • 前傾姿勢で痛むのか・後ろに反らすと痛むのか
  • 足のしびれを感じる
  • 歩行が困難

普段とは違う症状が続くなら、迷わず受診するようにしてください。

5-4.受診する際に気をつけるポイント

受診時には、腰痛の症状をうまく伝えられるよう、メモなどを用意しておくといいでしょう。相談したいことや気になるポイントなどをまとめておきます。痛み止めの薬を服用した・湿布で冷やした・温めたなど、自分なりに試みたけれど改善しないなど、何気ないことも書き留めておいてください。

5-5.漢方による治療

坐骨神経痛・ぎっくり腰・椎間板ヘルニアの3大症状について注目してみましょう。3大症状は、急な痛みを伴うことがあり、日常生活に支障をきたす恐れがあります。漢方は、原因が明確ではない場合でも体質に合うものを選ぶことで、痛みを根本から取り除(のぞ)くことができるでしょう。漢方薬の処方は、医心堂薬局で相談してみてください。

5-5-1.坐骨神経痛の緩和

坐骨神経痛が温めることで緩和します。まず、体を冷やさず、血流を促すように心がけましょう。加えて漢方薬を服用し、しびれなども取り除(のぞ)くことができるでしょう。
桃核承気湯や疎経活血湯は、血行促進に効果があるとされ、坐骨神経痛の治療に用いられます。

5-5-2.ぎっくり腰の痛みを緩和

ぎっくり腰は、突如として発症するもの。急性期の痛みは、歩行困難になるケースもあります。痛みを我慢しようとして、どうしても背中や腰の筋肉が硬直しがち。筋肉をほぐす作用がある漢方がおすすめです。
芍薬(しゃくやく)甘草湯は、ぎっくり腰の治療には最適。即効性がある漢方薬として知られています。

5-5-3.椎間板ヘルニアは漢方薬の併用で改善する

椎間板ヘルニアの治療には、温熱療法や牽引治療を行うのが一般的です。ただし、漢方薬の効果もじわじわと知られ始め、ほかの治療法と併用して使われるようになってきました。
椎間板ヘルニアは、しびれや排尿トラブルを引き起こします。腰から下に集中する痛みにアプローチする漢方薬を服用しましょう。
疎経活血湯・八味地黄丸が下半身の違和感解消にはおすすめ。頚椎椎間板ヘルニアの治療には、しびれや麻痺(まひ)を取り除く葛根湯や二朮湯が取り入れられています。

6.腰痛の解消法

まれに激しい痛みを伴うこともある腰痛。自分でも痛みを解消する工夫をしてみましょう。3つの方法をご紹介します。

6-1.タイプ別対処法

6-1-1.急性期の痛みには冷やすのが有効

ぎっくり腰など急な痛みを発症した際は、まず冷却して患部の熱や腫れを取り除くようにしてください。炎症を鎮める作用があります。

6-1-2.慢性化した痛みは温める

痛みが継続して続くような慢性腰痛には、温めて血流を改善する方法がおすすめです。ホットタオルや使い捨てカイロなどを使い、患部をじんわりと温めます。使い捨てカイロを使用する目安は15分。低温やけどなどに気をつけ、軽くマッサージしながら血流を促すようにしてください。

6-1-3.ストレッチで痛みの緩和を目指す

腰の痛みをかばい、どうしても体を動かすことを避けてしまうケースがあります。腰痛を引き起こす原因として挙げられるのは、骨盤のずれ。ストレッチで歪(ゆが)みやずれの改善をすることができます。
仰向(あおむ)けになり、片膝を抱えるように胸に近づけ、5秒間キープしましょう。呼吸は止めないようにしてください。ストレッチを始めるときは、あまり力を入れ過ぎないことがポイントです。

6-2.反(そ)り体操

腰痛は動かすと悪くなるといった印象をお持ちの方も多いことでしょう。しかし、今は可動域を広げるため、なるべく動かすようにとの意見が主流となってきています。

6-2-1.マッケンジー体操

1956年にロビン・A・マッケンジーが考案したマッケンジー体操は、整形外科でも導入されている腰痛改善体操です。体を反らす動きがメインで、椎間板ヘルニア・姿勢不良・慢性腰痛に効果を発揮します。
うつ伏せになり、肘をつけたまま大きく後ろに上体を反らしてください。5〜10分維持しましょう。マッケンジー体操は、繊維軟骨から前方に飛び出したゼリーを押し戻し、痛みを和らげる効果を持っています。

6-2-2.ウィリアムス体操

ウィリアム体操は、マッケンジー体操とは反対の動きを取り入れた体操です。やり方は仰向(あおむ)けになり、屈(かが)むように膝を抱えて丸まります。2秒間で行い、10セットを1分おきに取り組んでください。1日に2〜3回行うと効果的です。
腰のこわばりや動かしにくいといった症状を緩和することができ、骨盤周辺や下半身の強化に役立ちます。

6-3.腰痛に効果のあるツボ

腰痛に効果を発揮する3つのツボをご紹介します。

  • 腎兪(直立時に肘と同じ高さの背骨にあるツボ。背骨から左右指2本分ずらした場所を指圧します)
  • 志室(腎兪から外側へ指2本分ずれた場所にあります。直立時の肘と同じ位置です)
  • 大腸兪(腸骨を結んだ位置。腰椎から指2本分外側にあるツボ。大腸疾患や坐骨神経痛にも効果的です)

6-4.腰痛体操をするときの注意点

マッケンジー体操は、脊柱管狭窄(きょうさく)症・すべり症を患っている場合、体操で症状が悪化するとされているので注意してください。また、ウィリアムス体操は、急性期の痛みや脊椎損傷患者には向きません。急性期はなるべく安静を保(たも)つようにしましょう。
体力や痛みは人によって異なります。どちらの体操も、無理せずゆっくり取り組むようにしてください。

7.腰痛に効く漢方

痛み止めの薬はなるべく使いたくないという方には、漢方薬がおすすめです。作用は穏やかですが、体質に合うものなら痛みの緩和に役立ちます。

7-1.当帰芍薬(しゃくやく)散

全身の血流を促し、痛みの緩和ができる漢方です。当帰芍薬(しゃくやく)散は、下半身の冷えにも効果的。女性特有の生理不順や生理痛緩和にも使われています。

7-2.疎径活血湯

下半身の激しい痛みの緩和におすすめなのが、疎径活血湯です。関節痛・神経痛・肩こりに効果的。ぎっくり腰の治療にも用いられています。

7-3.桂枝加苓朮附湯

冷え性の方におすすめの漢方です。しびれやこわばりを緩和し、体を温める働きをしてくれます。虚弱体質の改善にも効果的です。

8.腰痛の予防法

腰痛は、日常生活の動作や習慣によって引き起こすことがあります。普段から自分でも予防できる方法を用い、なるべく悪化しないようにすることも大切でしょう。

8-1.コルセットやベルトの着用は正しく

腰痛緩和を目的としたコルセットやベルトが販売されていますが、どれも適切な装着をすることで正しい効果を得ることができます。
肌のかぶれを防ぐため、肌着の上から着用してください。コルセットとベルトの中心部が腰にあたるようにし、後ろから前へ回して装着します。骨盤を圧迫し、なるべく固定するようにしましょう。

8-2.適度な運動で体を鍛える

激しい運動は腰痛を引き起こすことがありますが、適度な運動は血流改善や筋力アップにつながります。ウォーキング・水泳など軽いものから始めましょう。ただし、急性期は無理をせず、安静に過ごすようにしてください。普段運動をしていない方は、ストレッチを行うと刺激になって腰痛緩和に役立ちます。

8-3.改善すべき生活習慣

普段から体を温めるように意識し、入浴時には湯船にゆっくり浸(つ)かりましょう。入浴後は体が柔軟です。なるべくストレッチを行う習慣を持ち、前屈姿勢で腰を伸ばすようにしてみてください。
デスクワーク中心の方や立ち仕事の方は、同じ姿勢を続けていることで腰痛を引き起こします。筋肉が硬くなってしまわないよう、1時間に1回は体を動かすようにしてください。体を左右前後に動かし、腰周辺の筋肉をほぐすようにしましょう。

9.腰痛の悩みでよくある質問

痛みを我慢しながら生活するのは辛(つら)いですよね。腰痛でよくある質問をご紹介します。腰痛対策にも役立ててください。

9-1.排尿時の痛みは腰痛と関連がある?

腎盂(じんう)腎炎・膀胱(ぼうこう)炎・尿路結石など腎臓疾患を発症している場合、痛みが背中にまで広がることがあります。排尿時の痛みは、腎臓の細菌感染の影響が考えられるでしょう。発熱している場合、なるべく早めに受診するようにしてください。

9-2.コルセットを装着しているとお尻が痛む

コルセットやベルトをつけっぱなしという方もいます。しかし、長時間使用するのは避けるべきです。腰を固定したため、お尻に強い力が加わって痛んでしまいます。腰痛を我慢して活動しなくてはいけない時間だけ装着するようにしてください。

9-3.産後に腰痛を発症しました

妊娠中はお腹(なか)が大きくなり、支えきれなくなって腰を痛めてしまうことがあります。しかし、意外に多いのは、産後の腰痛。子どもを抱っこする機会が増え、腰に大きな負担がかかることが原因です。マタニティーブルーと呼ばれる精神的不安もかかわっており、気分の落ち込みから腰の痛みを感じる方も多いもの。
授乳中でも服用できる痛み止めの薬を処方してもらう方法で、痛みを緩和することができるでしょう。軽いストレッチを取り入れ、気分転換を心がけて腰痛改善に役立ててください。

9-4.柔らかいマットレスはなぜいけない?

寝具は好みがわかれますが、柔らかいマットレスは体が沈み込み、くの字に曲がる無理な姿勢になりがちです。なるべく硬いマットレスを使用するといいでしょう。
マットレスの買い替えが難しい場合、腰痛緩和対策マットレスを上に敷いてみてください。体圧が分散され、腰の痛みが和らぐはずです。

9-5.腰痛が悪化するのではと思って動けない

腰痛は、動くと痛いと感じることが多いため、どうしても腰をかばうような仕草を取ってしまいます。急性期の痛みは安静が必要ですが、慢性化した痛みや腰のこわばりを防ぐために、適度な運動を取り入れてください。運動が苦手という方でも、簡単なストレッチを少しずつ始め、毎日短時間でも繰り返しましょう。

まとめ

いかがでしたか?腰痛になるとどうしても体を動かさず、安静にしなくては思ってしまうことでしょう。しかし、腰をかばって安静を続けるのは逆効果です。こわばりや慢性化した痛みに発展することもあり、適度な運動やストレッチで改善するようにしてください。辛(つら)い腰痛は我慢せず、なるべく早めに受診することで、腰痛以外の原因を見つけることができます。重篤な病気が隠れているなら、早期発見早期治療で根本から改善していきましょう。