高脂血症の真の怖さを知ろう!生活習慣の見直しで治るって本当?


高脂血症の症状にお悩みではありませんか?高脂血症は近年「脂質異常症」という名称で呼ばれることが多く、放置すると危険な病気を引き起こすこともある病気です。しかし、早期に適切な対処をすることで健康な状態に戻すことができます。この記事では、なぜ高脂血症を引き起こしてしまうのか、どうすれば改善することができるのか、そのすべてを解説しましょう。

  1. 高脂血症の基礎知識
  2. 高脂血症はなぜ起こる?種類は?
  3. 高脂血症の病状経過と影響
  4. 高脂血症の治療方法
  5. 高脂血症のセルフケア
  6. 高脂血症に関するよくある質問

この記事を読むことで、高脂血症を改善するための方法が分かります。自分の症状を見つめ直してみましょう。

1.高脂血症の基礎知識

まずは、高脂血症についてまとめてみました。メカニズムやなりやすい人の特徴をご紹介します。

1-1.血液中の脂質が異常を起こす病気

高脂血症とは、血液中の脂質が多くなる病気です。コレステロールやトリグリセリドなどの脂質は、私たちの体の機能を保つ上で非常に重要な役割を果たしています。その中で、脂質異常にかかわるのは「HDLコレステロール」と「LDLコレステロール」です。「HDLコレステロール」は善玉コレステロールと呼ばれ、動脈硬化を防ぐ役割を果たしています。そして、「LDLコレステロール」は悪玉コレステロールと呼ばれ動脈硬化の原因となるものです。この2つは血液中に一定の量が保たれるように調節されているのが普通。しかし、何らかの原因によって基準値を外れてしまうと、全身の動脈硬化が進行してしまいます。そして、脳梗塞や心筋梗塞といった恐ろしい病気を引き起こしてしまうのです。

1-2.なりやすい人の特徴

高脂血症になりやすいのは以下のような人です。

  • 家族に脂質異常症の人がいる。
  • 肥満である。
  • 普段から高血圧である。
  • 運動不足である。
  • お酒を飲む量が多い。
  • 糖尿病を持っている。

また、卵巣から分泌される女性ホルモンが脂質代謝に影響を与えることが分かっています。女性ホルモンの欠乏によって高脂血症を起こしやすくなるため、閉経後の女性はより注意が必要でしょう。

1-3.「脂質異常症」とどう違うのか?

「高コレステロール血症」と「高脂血症」は、いずれも血液中の脂質成分が異常値になっている状態を言います。2007年以降、この2つを総称して「脂質異常症」と呼ぶようになったのです。

  • HDLコレステロールが40㎎/dl未満
  • LDLコレステロールが140㎎/dl以上
  • 中性脂肪が150㎎/dl以上

上記3つのうち一つでも条件が当てはまると、脂質異常症と診断されることになります。

2.高脂血症はなぜ起こる?種類は?

高脂血症の原因と種類をご紹介します。

2-1.高脂血症はなぜ起こる?

高脂血症の原因になるものはいくつか考えられます。

2-1-1.主な原因は生活習慣

高脂血症の原因として多いのが生活習慣です。特に脂肪分の多い食事はコレステロール値を上げ、動脈硬化の進行を早めてしまいます。具体的には、肉や卵・清涼飲料水・アルコール・甘いお菓子などをとりすぎるのは危険です。また、肥満も脂質異常の原因になります。普段から運動不足で太り気味という人は十分注意しましょう。

2-1-2.遺伝によって発症することも

高脂血症は遺伝的な要因によって発症するものもあります。遺伝によって起こるものを「家族性高コレステロール血症」と言い、LDL受容体に先天的な異常が存在しているのです。家族性高コレステロール血症の場合は、食生活に問題がなくても動脈硬化を発症しやすくなります。そのため、早期に治療を開始する必要があるでしょう。

2-1-3.薬が原因になることも

そのほかにも、薬が原因になる場合もあります。たとえば、利尿薬やステロイド剤・経口避妊薬・ホルモン剤・向精神薬などを服用していると、副作用によって高脂血症を起こしてしまうことがあるでしょう。

2-2.高脂血症の種類

高脂血症はその原因や異常値を示す脂質が何かによって、いくつかの種類に分けられます。

2-2-1.原発性高脂血症

原発性高脂血症は原因がはっきりとしないものを言います。そのほとんどが遺伝的な体質に原因があるとされ「家族性高コレステロール血症」もこの一つです。悪玉コレステロールをコントロールするLDL受容体が生まれつき少なく、幼いうちから動脈硬化が進行するケースも珍しくありません。

2-2-2.二次性高脂血症

生活習慣やほかの病気が原因となって起こります。原因として考えられる病気を治療すること、または、生活習慣を見直すことで改善できる場合がほとんどです。原因となる病気として考えられるものには、甲状腺機能低下症や肝臓病・腎臓病などがあります。

2-2-3.高LDLコレステロール血症

悪玉コレステロールであるLDLコレステロール値が140㎎/dl以上である場合が「高LDLコレステロール血症」です。肉類や乳製品など動物性脂肪の多い食品や、魚卵・レバーなどコレステロールを多く含む食品をとりすぎることも原因の一つと言えるでしょう。

2-2-4.低HDLコレステロール血症

善玉コレステロールであるHDLコレステロール値が40㎎/dl未満の場合「低HDLコレステロール血症」と診断されます。善玉コレステロールが減ってしまう原因としては、運動不足や肥満・喫煙などが挙げられるでしょう。

2-2-5.高トリグリセライド血症

中性脂肪であるトリグリセリドが150㎎/dl以上の場合「高トリグリセリド血症」と診断されます。内臓脂肪肥満型に多く、食生活の乱れなどが主な原因です。高コレステロール血症と高トリグリセリド血症は同時に起こることも多くなっています。慢性的なカロリー過多には十分気をつけましょう。

3.高脂血症の病状の経過と影響

高脂血症の病状はどのように経過するのでしょうか。放置した場合の影響や考えられるほかの病気についてもご紹介します。

3-1.自覚症状はほとんどない

高脂血症は自覚症状がほとんどありません。そのため、健康診断などで血液検査をして判明することが多いでしょう。自覚症状がないということは、病気であることに気づきにくいということです。そのため、知らず知らずのうちに血液がドロドロの状態になり、深刻な病気に発展する可能性があります。

3-2.放置するとどうなるのか?

高脂血症を放っておくと、動脈硬化が進行していきます。いずれ、狭心症や心筋梗塞・脳梗塞などの病気を引き起こすことが考えられるでしょう。そのほかにも、急性すい炎を発症する場合もあります。すい臓は脂質を分解するための消化酵素を分泌する器官です。血液中の中性脂肪が多くなりすぎることで、すい臓自体がダメージを受けてしまうことが原因と考えられます。

3-3.高脂血症と似た病気

同じ生活習慣病の一つに「高乳酸血症」という病気があります。血液中の乳酸が多くなる病気で、食べすぎや飲みすぎ・肥満などが原因で起こるケースが多いでしょう。高脂血症と同じように自覚症状はほとんどなく、症状が悪化すると動脈硬化をすすめる原因になることが分かっています。

3-4.関連する病気

高脂血症に関連する病気として挙げられるのが糖尿病でしょう。実は、糖尿病の人は高脂血症を併発しやすいというデータがあるのです。糖尿病とは、インスリンが異常をきたし、体内のブドウ糖がエネルギーに変換できなくなる病気。インスリンには血糖値を下げるだけでなく、抹消組織での脂肪の分解を促す働きがあります。そのため、インスリンが不足することで血中に中性脂肪が増え、悪玉コレステロールが増加してしまうこともあるのです。高脂血症と糖尿病を併発すると、動脈硬化の危険性がさらに増します。命にかかわる病気に発展する可能性も高くなるため、早期発見・治療が大変重要なポイントになるでしょう。

4.高脂血症の治療方法

高脂血症の治療方法にはどのようなものがあるのでしょうか。病院での治療法や漢方療法についてご紹介します。

4-1.病院での治療法は?

高脂血症の治療法には「食事療法」「運動療法」「薬物療法」の3つがあります。高脂血症の主な原因は生活習慣であるため、食事療法や運動療法が主な治療法になるでしょう。この方法でも症状が改善されない場合は、病院での薬物療法が必要になります。LDLコレステロールやトリグリセライドを下げる薬が処方されることになるでしょう。LDLコレステロール値が非常に高くなっている場合は「LDLアフェレーシス」という治療法が行われます。腕などの静脈から血液を取り出し、血液からLDLコレステロールだけを取り除いて、再び血液を戻すという方法です。

4-2.漢方療法がおすすめ!

高脂血症のような生活習慣病におすすめの漢方薬もあります。実際に、漢方薬を処方している病院もあるため、ぜひ調べてみてください。高脂血症におすすめの漢方薬は「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」や「大柴胡湯(だいさいことう)」「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」などです。実際に、漢方薬を処方してLDLコレステロールやトリグリセリドが低下したという例が数多く存在しています。食事療法や運動療法と合わせて試してみるとよいでしょう。

5.高脂血症のセルフケア

高脂血症改善のためにはセルフケアが重要なポイントになります。普段から気をつけるべきことをまとめてみました。

5-1.正しい食生活を!

高脂血症には、普段の食生活が大きく影響します。そのため、高脂血症の改善や予防のためには、食生活に十分注意する必要があるのです。肉の脂身やバター・チーズなど乳製品に含まれる「飽和脂肪酸」や、鶏卵・魚卵・レバーに含まれるコレステロールの過剰な摂取は控えるようにしましょう。そして、食物繊維や不飽和脂肪酸を含む食材を積極的にとるようにしてください。食物繊維は海藻類やこんにゃくに含まれる水溶性食物繊維と、きのこや野菜に多い不溶性食物繊維をバランスよく食べることが大切です。不飽和脂肪酸は青魚やオリーブオイルなどに多く含まれています。普段の食事に取り入れてみましょう。

5-2.全身運動も取り入れて!

高脂血症を改善するためには、ジョギングやウォーキングなどの全身運動が効果的です。悪玉コレステロールの減少と善玉コレステロールの増加のためには、毎日の運動が必要となります。毎日30分の運動を6か月継続することで効果が現れると言われているため、時間と体力が必要になるでしょう。毎日の運動が難しい人は、食事療法と組み合わせて効果を上げることをおすすめします。

5-3.漢方薬で体質改善!

上記でもご紹介しましたが、漢方薬は高脂血症の改善に効果的です。漢方医学では、高脂血症には「体質改善が治療のポイントになる」と考えられています。食事療法と運動療法に取り組みながら、漢方薬で血液の流れをよくしてあげましょう。漢方薬は副作用も心配ないため、安心して取り組むことができます。ただし、漢方薬を使用する際は正しい知識が必要です。漢方の専門家に相談して、自分に合ったものを処方してもらいましょう。

5-4.高脂血症にアルコールはNG?

高脂血症改善のためのNG行為として、アルコールのとりすぎがあります。アルコールをとりすぎると血液中の中性脂肪が増えてしまうため、1日の摂取量を控えることが必要です。
禁酒が難しいなら、1日のアルコール摂取量を25g以下に抑えるようにしてください。日本酒なら約1合、ビールなら中びん1本ほどが目安となります。

6.高脂血症に関するよくある質問

高脂血症に悩む人が感じるであろう疑問とその回答をまとめてみました。

Q.高脂血症と診断されたら禁煙する必要はありますか?

A.禁煙することで動脈硬化がすすむ可能性が低くなります。喫煙期間にかかわらず、禁煙するのがおすすめです。

Q.高脂血症と診断されました。自分の子供もいずれ高脂血症になる可能性がありますか?

A.高い確率で遺伝するのは、一種の高脂血症だけです。必ずしも子供に遺伝するとは言い切れません。

Q.高脂血症の薬は一生飲み続けることになるのですか?

A.基本的には、血液検査の値が改善すれば内服する必要はなくなります。また、生活習慣の改善だけで数値がよくなることもあるため、そうなれば薬を飲み続ける必要はないでしょう。

Q.たくさん食べても高脂血症になる心配のない食べものにはどのようなものがありますか?

A.野菜やきのこ・海藻類は低エネルギーであるため、たくさん食べても問題ありません。

Q.日本にはどのくらいの割合で高脂血症の患者がいるのですか?

A.成人の3人に1人は高脂血症の疑いがあると言われています。高脂血症は自覚症状がないため、自分で気づいていない人も多いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。高脂血症という病気について、その原因や治療方法などをまとめて解説しました。高脂血症は「サイレントキラー」と呼ばれ、自分では気づかないうちに進行する病気です。普段から健康診断を定期的に受けるようにするなど、注意して過ごすようにしましょう。