つらいアトピーに漢方は使える? 効果的な使い方と体質改善のポイント


アトピーのつらい症状を改善するために、ステロイドの入った強い薬を使い続けている人は多いでしょう。しかし、この方法ではいったん症状が改善されても、薬を塗らなければまた症状が現れてしまいます。アトピーを根本的に治すためには、体質を改善するのが一番です。

この記事では、漢方を使って体質を改善し、アトピーを治す方法についてご紹介しましょう。

  1. アトピーの基礎知識
  2. アトピー治療の前に~漢方とは?~
  3. 漢方とアトピー治療
  4. 体質改善とアトピー漢方治療について
  5. アトピー治療に使われる漢方薬とは?
  6. アトピー治療に効果的な漢方薬の飲み方
  7. アトピーの漢方治療に関するよくある質問

この記事を読むことで、漢方治療がアトピー治療に効果的な理由がわかります。長年悩まされているアトピーの症状から解放されましょう。

1.アトピーの基礎知識

まずは、アトピーがどのような疾患なのかを解説しましょう。定義や症状・主な原因についてまとめてみました。

1-1.皮膚が炎症を起こすこと

正式名称を「アトピー性皮膚炎」といい、何らかの要因で皮膚が炎症を起こし、湿疹(しっしん)やかゆみが現れる疾患です。もともとアレルギーを起こしやすい体質の人や皮膚のバリア機能が弱い人に多く、改善と悪化を繰り返しながら症状がすすんでいきます。本来、炎症は体外から侵入してきた細菌やウイルスから身を守るために起こるものです。しかし、アトピーの場合は免疫が過剰に反応し、不必要に炎症が起きてしまうのが主な原因になっています。炎症が起こることでかゆみが発生し、引っかくことで炎症が悪化する、という悪循環を食い止めるためにも、早めに対処する必要があるでしょう。

1-2.主な症状は繰り返す「かゆみ」と「湿疹(しっしん)」

アトピーの特徴的な症状には「かゆみ」と「湿疹(しっしん)」があります。主に耳や首回り、ひじやひざの裏側、太もものつけ根などに湿疹(しっしん)が現れることが多く、盛り上がりのある湿疹やジクジクとした湿疹(しっしん)などその様子もさまざまです。かゆみや湿疹(しっしん)の現れ方には個人差がありますが、共通するのは「何度も繰り返す」という点でしょう。塗り薬などで症状が改善されたように見えても、乾燥や汗の刺激によってまた悪化するというケースがほとんどです。

1-3.原因は一つではない

アトピーの原因は一つとは限りません。たとえば、乾燥によって皮膚の保湿成分が不足すると、バリア機能が低下して外部からの刺激を受けやすくなることも原因の一つです。また、汗をかいたことで肌に雑菌が繁殖し、肌への刺激が増すこともあります。そのほかにも、心理的なストレスや寝不足などによってホルモンバランスが不安定になり、免疫の働きに異常が起こることもアトピーの原因になるでしょう。もちろん、花粉やハウスダストなどのアレルゲンによってアレルギー反応を起こしている可能性もあります。まずは、アトピーの原因となっているものが何なのかを突き止め、環境と体質の改善を図っていく必要があるでしょう。

2.アトピー治療の前に~漢方とは?~

アトピー治療に効果的な方法の一つとして、漢方があります。漢方におけるアトピーの治療法とはどのようなものなのでしょうか?

2-1.漢方における薬効の考え方とは?

漢方における考え方は西洋医学のものと異なります。病気の原因に対して直接アプローチを行うのではなく、一人一人の体全体に対してアプローチを行うのが特徴です。同じ病気でも人によって体質や症状は異なるため、個人に合った改善の方法を考えていく必要がある、というのが漢方医学の考え方と言えます。体内のエネルギーや血液・体液の状態などを見極め、そこに最適な漢方薬を使いわけていくことになるのです。

2-2.体質改善・自然治癒力について

漢方医学によると「アトピーは生命エネルギーである「気」が不足することで起こる」と考えられています。そのため、「気」を補充することで血液の流れを改善し、症状を改善することが最適な方法と言われているのです。体質を改善して内側から治すために、漢方薬によって免疫力の向上を図ります。体質を改善して自然治癒力を高めることは、アトピーだけでなくすべての病気を防ぎ、健康を維持するために有効であると言えるでしょう。

3.漢方とアトピー治療

では、病院と漢方によるアトピー治療の違いにはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれの特徴をまとめてみました。

3-1.病院でのアトピー治療方法

皮膚科でのアトピー治療方法には、主に薬を使ったものがほとんどです。スキンケアやアレルギー反応の抑制、炎症を抑えることを目的として、ステロイド外用薬や尿素軟膏(なんこう)などの薬が処方されます。また、かゆみを抑えるために抗ヒスタミン薬が処方される場合もあり、塗り薬と同時に使用するケースもあるでしょう。このように、病院で治療を行いながら、家庭でセルフケアを行うのが一般的な方法です。

3-2.漢方によるアトピー治療の考え方

漢方医学において、病気とは「心と体のバランスが崩れる」ことによって起こるものと考えられています。つまり、心と体のバランスを整えることで、人間が本来持つ自然治癒力を高めることができるのです。そのため、アトピー治療に対してステロイド剤などの薬を使用することはありません。心と体のバランスが崩れた原因やその症状に合わせて、体質改善に効果的な漢方薬が処方されるのです。

3-3.双方の違い

病院での治療、いわゆる「西洋医学」の場合、化学物質からできている薬が処方されるため、効きやすいのが特徴です。症状をピンポイントで改善するため早く確実に症状を抑えます。その反面、副作用が出やすいというのがデメリットです。一方の漢方薬は、生薬を数種類混ぜ合わせて効き目を上げたり副作用を打ち消し合ったりします。目的は「体のバランスを整え不調を改善すること」であるため、直接的に効果を発揮するわけではないのです。症状の緩和よりも「健康な体の状態に戻す」ことを目的とするなら、漢方薬でじっくりと取り組むのがよいでしょう。

3-4.同時に治療を受けることも

一般的な皮膚科でも漢方薬を処方する病院は多くなっています。ステロイド剤などで症状をいち早く改善すると同時に、漢方薬で体を健康にし、アトピーの再発を防ぐのです。つまり、漢方治療で体質改善をしながら、ステロイドの量を少しずつ減らしていく方法になります。この方法は大変効果的であり、体への負担を抑えながら確実にアトピーを改善していくことができるでしょう。

4.体質改善とアトピー漢方治療について

漢方によるアトピー治療について、もう少し詳しく解説しましょう。漢方治療の特徴やポイントなどをまとめてみました。

4-1.漢方で考えるアトピーの原因とは?

漢方で考えるアトピーの原因には「熱」と「冷え」があります。慢性的に体が冷えることで、かえって熱を帯びてしまった状態がアトピーなのです。つまり、その根本には「冷え」があり、体を温めることで体力が温存され、血液や気の流れがよくなると考えられています。

4-2.漢方で体質改善を図る!

漢方薬によって「冷え」を改善し、気の流れをよくすることは、体質改善につながります。症状を抑えるだけでなく根本的な体質の改善を目指すことになるため、病気になりにくい体づくりができるのです。ステロイド剤は長期的に使用すると副作用が現れる可能性もあります。その点、漢方は効き目が穏やかで副作用が少ないため、長くつき合っていくことができるでしょう。

4-3.漢方治療の特徴

漢方治療で効果を感じるには時間がかかります。そのため、湿疹(しっしん)やかゆみがひどい場合はステロイド剤を併用しながらうまく漢方薬を取り入れていくとよいでしょう。基本的には、漢方薬を飲み始めてから1~2週間程度で効果を実感する人が多くなっています。しかし、いきなり劇的に回復するわけではなく、漢方薬だけでアトピーを根本的に治すためには、1年以上継続して飲み続けなければなりません。漢方治療には、焦らずじっくりと取り組む覚悟が必要なのです。

4-4.体質改善のコツと生活習慣のポイント

アトピーには環境的要因も大きくかかわってきます。もともとアトピーになりやすい体質を持っていなくても、日常生活においてアトピーの要因になるものがあれば誰でも発症する可能性はあるのです。そのため、病院での治療や漢方治療をしつつ、生活習慣の改善によって体質を整えていくことが、アトピーを治すために最も大切でしょう。アトピーを改善するための生活習慣は、以下のとおりです。

  • バランスのよい食生活を心がける
  • 睡眠不足を解消する
  • ストレスをためない
  • 過度のアルコール摂取は避ける
  • 禁煙する
  • 熱いお風呂に長時間入らない

特に、食生活の改善は重要です。糖分の多いものや脂っこい食べ物、添加物を多く含む食べ物はできるだけ摂(と)りすぎないようにしましょう。

5.アトピー治療に使われる漢方薬とは?

では、アトピー治療に使われる漢方薬にはどのようなものがあるのでしょうか。症状別におすすめの漢方薬や注意点についてご紹介します。

5-1.主な漢方薬紹介

アトピーの治療に使われる主な漢方薬について、その種類や症状別におすすめのものなどをご紹介します。

5-1-1.効き目の早さによる分類

漢方薬には上・中・下というわけ方があります。病気を治すだけでなく根本からの体質改善を目的とするのが上薬です。中薬は、少量もしくは短期間の服用であれば副作用の心配が少ない程度のものを言います。即効性はあるが長期のわたっての服用には注意が必要なものが、下薬です。一般的にアトピーの治療に使用されることが多いのは、上薬になります。

5-1-2.乾いた湿疹(しっしん)に効果的な漢方薬

乾燥が強く、皮膚に割れ目ができたり粉をふいたりするような場合は「白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)」がよいでしょう。体の熱を冷まし、かゆみを鎮める効果があります。喉の渇きや顔の火照りがある人にも効果的な漢方薬です。

5-1-3.湿った湿疹(しっしん)に効果的な漢方薬

ジュクジュクと湿った湿疹(しっしん)があり、体が温めるとかゆみが増す場合は「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」がおすすめです。このタイプのアトピーは全身に赤みがあり、かゆみが強いのが特徴となっています。そのほか、全身症状として疲れやすさやむくみやすさがあり、特に春から夏にかけて気温が上昇するときに症状が悪化しやすくなるでしょう。

5-2.漢方の外用薬・塗り薬について

漢方薬と言えば「飲み薬」というイメージが強いと思いますが、塗り薬もあるということをご存じでしょうか。代表的なものに「紫雲膏(しうんこう)」があり、複数のメーカーから発売されています。「紫紺(しこん)」と「当帰(とうき)」という2種類の生薬が含まれており、殺菌や抗炎症作用・血行促進作用に優れているのがこの薬の特徴です。アトピーのような湿疹(しっしん)に効果があるということで、使用している人も少なくありません。

5-3.子どもの場合は?

子どものアトピーにも漢方薬は効果的です。子どもの皮膚は弱いため「ステロイドを使いたくない」という親御さんも多いのではないでしょうか。皮膚科で主に処方される漢方薬には「消風散(しょうふうさん)」や「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」があります。特に「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」は胃腸の働きをよくして元気を取り戻す効果があるため、子どもに対して処方されることが多いでしょう。

5-4.注意点

漢方薬を取り扱うのは難しいことです。市販の漢方薬を独断で購入すると、体質に合わないものを選んでしまう可能性もあるでしょう。漢方を使用する際は、漢方にかんする専門的な知識を持った医師や薬剤師に相談するようにしてください。

6.アトピー治療に効果的な漢方薬の飲み方

漢方薬を上手に利用することでアトピーを効果的に改善することができます。副作用や使用方法についてご紹介しましょう。

6-1.漢方薬局に相談しよう!

「医心堂薬局」では、インターネットで漢方薬を購入することができます。体質や症状に合わせて最適な漢方薬を処方しているため、安心して利用できるでしょう。体の悩みにかんする無料相談も受け付けています。安心して漢方薬を利用するためにも、ぜひチェックしてみてください。
http://www.ishindo.net/

6-2.病院での漢方併用について

皮膚科で漢方薬との併用治療をすすめられた場合は、基本的にその方法で問題ありません。医師や薬剤師に相談しながらすすめていきましょう。漢方薬は体の内側から働きかけてアトピーを改善します。ステロイドとは違った目的で使われることになるため、併用することでより効果を期待できる場合もあるのです。

6-3.副作用と使用方法

ステロイドで炎症を抑えている間に、漢方で皮膚の炎症を鎮め、根本的に治すのが上手な活用方法です。ただし、漢方薬にも副作用があるということは忘れないようにしましょう。体質や症状に合わないものを飲むと、症状が悪化したり別の症状が現れたりすることも考えられます。「副作用が少ないから安心」と思い込まず、より高い効果を発揮するためにも、正しく漢方を処方してもらうようにしましょう。

6-4.使用期間と期限について

「どのくらい使用すれば効果が出るのか」という疑問を持つ人は多いと思います。漢方薬は長く飲み続けることで効果を得られるものですが、実際にどのくらいの期間で効果が現れるかは症状や体質によっても異なるものです。服用後、早い段階で効果を実感したとしても、また症状の悪化を繰り返すこともあります。「根本的な改善まで1年以上かかった」という人もいるため、根気よく続けることが大切です。

6-5.価格について

皮膚科で漢方が処方される場合は、ほとんどが保険適用になります。そのため、1か月あたり1,000~3,000円程度の負担で済むことになるでしょう。漢方専用の薬局を利用する場合は、全額自己負担になります。しかし、保険適用では対応できない生薬も使えるため、品質や効き目にこだわりのある漢方を処方してもらえる可能性は高いでしょう。

7.アトピーの漢方治療に関するよくある質問

「アトピーの漢方治療について知りたい」という人が感じるであろう疑問とその回答をまとめてみました。

Q.子どものアトピーは主に何が原因ですか?
A.13歳くらいまでの子どもは、主に、食事やダニなどの生活環境が原因でアトピーを起こします。アレルギーを起こす要因となるものを突き止め、除去することが何よりも大切になるでしょう。

Q.アトピーの悪化を防ぐスキンケアにはどのようなものがありますか?
A.なるべく刺激の少ない石けんを選び、タオルやスポンジを使わず手で泡立てて体を洗うようにしましょう。洗った後の皮膚は乾燥がすすみやすいため、すぐに外用薬を塗ることをおすすめします。

Q.別の人に処方された漢方薬をもらって飲んでも、アトピーに効きますか?
A.ステロイドなどと違い、漢方薬は誰にでも効くものではありません。一人一人の体質に合わせて処方されたものであるため、他人に処方されたものを飲むのはやめましょう。

Q.アトピーに効く漢方薬はドラッグストアでも買うことができますか?
A.一部の漢方薬はドラッグストアでも市販されています。特にアトピーの人はアレルギー体質である可能性が高いため、必ず薬剤師に相談した上で購入するようにしてください。

Q.漢方薬を飲んでいれば生活習慣の改善は必要ありませんか?
A.漢方薬はあくまでもサポートとしての存在であるということを覚えておいてください。漢方薬を使っていても、生活習慣に問題があれば改善は難しくなるでしょう。生活習慣や食生活の改善、正しいスキンケアをしながら漢方薬を服用することで、より効果を期待できます。

まとめ

いかがでしたか? アトピーの主な原因や症状、漢方薬で改善するポイントなどをまとめて解説しました。年々増えていると言われるアトピー性皮膚炎患者。その原因には、生活習慣や環境が大きく関係していることがわかっています。長くつき合っていかなければならない病気だからこそ、漢方で安全かつ効果的に治したいという人は多いはずです。ぜひこの記事を参考にして、漢方の上手な活用方法を知ってください。