高プロラクチン血症とはどのような病気? 症状や原因・治療法を徹底解説


高プロラクチン血症とは、プロラクチンというホルモンの血中濃度が高くなる症状です。高プロラクチン血症は不妊の原因にもなるため、不妊治療をしている人の中には、「高プロラクチン血症」と診断を受けた人もいるでしょう。高プロラクチン血症を発症すると、男性の場合は生殖機能に影響が出ることもあり、誰にも相談できずに悩んでいる人もいると思います。

そこで、今回は高プロラクチン血症の原因や症状・治療方法について解説しましょう。

  1. 高プロラクチン血症の基礎知識
  2. 高プロラクチン血症の治療方法
  3. 高プロラクチン血症を漢方で治療する
  4. 漢方薬を処方してもらう方法
  5. 高プロラクチン血症に関するよくある質問

この記事を読めば、高プロラクチン血症の治療方法だけでなく、予防方法のヒントもつかめます。興味がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.高プロラクチン血症の基礎知識

はじめに、高プロラクチン血症がどのような病気かを解説します。どのような症状が出るのでしょうか?

1-1.高プロラクチン血症とはどのような病気?

前述のように、高プロラクチン血症とは、脳下垂体から分泌されるプロラクチンというホルモンの血中濃度が高くなる症状です。プロラクチンとは、乳腺を発達させたり子宮を収縮させたりする効果のあるホルモンで、正常ならば産後に分泌量が増えます。しかし、何らかの原因で妊娠・出産をしていない時にプロラクチンの血中濃度が上昇してしまうと、

  • 乳汁の分泌
  • 生理不順
  • 無排卵月経
  • 着床障害

といった症状が現れるのです。ちなみに、プロラクチンは男性でも分泌しており、高プロラクチン血症になると性欲減退やED(勃起障害)といった症状が現れます。また、後述する原因によっては、頭痛が起こることもあるでしょう。不妊治療に来て初めて自分が高プロラクチン血症であることに気がついた、という人も珍しくありません。

1-2.高プロラクチン血症の原因

高プロラクチン血症の原因は、大きく分けて3つあります。

  • ストレスなど:強いストレスなどを受け続けることにより、下垂体から分泌されるホルモンバランスが崩れて発症します。原因不明と診断されることもあるでしょう。
  • 薬剤の影響:睡眠薬・精神安定剤・胃薬・ピルなどを服用することにより、副作用として高プロラクチン血症を発症することもあります。しかし、患者数は一番少なく、高プロラクチン血症患者全体の8%ほどです。
  • 病的要因:下垂体や視床下部に腫瘍ができる「プロラクチン産生腫瘍」によって、高プロラクチン血症を発症することがあります。これは全患者数の3分の1を占める大きな原因です。早急に治療をしないと、命にかかわる症状が出ることもあります。

1-3.診断方法

高プロラクチン血症の診断は、血液検査をすれば分かります。成人女性の場合、正常ならば血中のプロラクチン血症の血中濃度は5ng/ml(ナノグラム・パー・ミリリットル)です。プロラクチンの血中濃度が15ng/mlを超えた場合は、高プロラクチン血症と診断されるでしょう。男性の場合、正常な数値は、3.6~12.8 ng/mlと幅があります。ですから、こちらも血中濃度が15ng/mlを超えた場合は、高プロラクチン血症と診断されることが一般的です。

1-4.診断を受けられる病院

高プロラクチン血症の診断は、産婦人科や脳神経外科で受けることができます。特に、不妊外来がある産婦人科の場合は、不妊治療を始める際に、高プロラクチン血症の検査をすすめられることもあるでしょう。

2.高プロラクチン血症の治療方法

この項では、高プロラクチン血症の治療方法について解説します。どのような治療方法があるのでしょうか?

2-1.薬物療法

どのような原因の高プロラクチン血症でも、行える治療方法です。薬物の使用が原因で高プロラクチン血症の症状が起こっている場合は、別の薬物に切り替えます。腫瘍が原因の場合は、腫瘍を小さくする抗がん剤などが用いられることもあるでしょう。明確な原因が分からない場合は、プロラクチンの分泌を抑える効果のある「ドーパミン作動薬」を用います。
ただし、ドーパミン作動薬は吐き気やめまいといった副作用が出る可能性もあり、効果の出方も人によって異なるため、薬を変える必要が出ることもあるでしょう。治療に時間がかかることも珍しくありません。

2-2.手術

腫瘍が原因の高プロラクチン血症は、手術をすすめられることがあります。手術をする場合は、脳神経外科のある病院へ転院が必要ということもあるでしょう。現在は、鼻から手術器具を入れて腫瘍を切除する方法が取られることが多く、開頭手術よりは体の負担が少なくなりました。ただし、腫瘍の位置や大きさによっては、開頭手術しかできないこともあります。医師とよく相談して、治療方法を選びましょう。

2-3.放射線療法

同じく腫瘍が原因の高プロラクチン血症は、放射線を腫瘍にあてて小さくする治療法が用いられることもあります。手術と一緒に放射線治療が行われることもあるでしょう。1泊2日程度の入院を行い、体に負担がかからないように進めていきます。それでも、脱毛や吐き気などの副作用が出ることもあるでしょう。

2-4.セルフケアの方法

ストレスが原因ので高プロラクチン血症を発症した場合、規則正しい生活を心がけると、症状が改善することがあります。たとえば、夜遅くまで起きている、ストレス解消に暴飲暴食をする、心配事が多く眠れない、といった生活ではストレスがたまる一方です。現代はストレス社会と言われていますが、可能ならば仕事の量をセーブするなどして、時間に余裕を持ちましょう。

また、不妊治療自体がストレスになり、高プロラクチン血症を発症することもあります。不妊治療は時間との闘いという一面があり、30代以降で不妊治療を行っている人の中には、常に頭の中は妊娠のことでいっぱいという人も珍しくありません。しかし、それがストレスになっていれば、妊娠はのぞめないでしょう。高プロラクチン血症を発症すれば妊娠しにくくはなりますが、妊娠が不可能になるわけではありません。場合によっては高プロラクチン血症の治療を兼ねて、不妊治療を一休みするのも効果的です。

3.高プロラクチン血症を漢方で治療する

この項では、高プロラクチン血症を漢方で治療する方法について解説します。ぜひ、参考にしてください。

3-1.東洋医学による高プロラクチン血症の考え方

東洋医学では、人体に気(生命エネルギー)・血(血液)・水(血液以外の水分)が規則正しく巡回しており、それが乱れたり不足したりすることにより、病気になると考えられています。高プロラクチン血症は、ストレスによって血の巡りがとどこおっている状態、ストレスによって血が不足している状態、ストレスによって本来は排出されなければならない水が、体内にたまっている状態、だと考えられている病気です。
ですから、漢方薬を利用して気・血・水の巡りや量を改善することで、治療ができると考えています。

3-2.漢方薬を使用するメリット

漢方薬は、自然の草木や鉱物をそのまま利用した生薬を原料としています。ですから、病院で処方される化学合成された薬のような激しい副作用は起こりにくく、長期間にわたって服用することが可能です。また、ストレスの軽減や身体機能の向上など、体質的なものを改善する効果も期待できるため、不妊治療と組み合わせて行う人もいるでしょう。

3-3.漢方薬のデメリット

ストレスが原因で発症する高プロラクチン血症以外は、漢方薬による治療よりも、手術や病院の薬による薬物治療が効果的です。特に、腫瘍が原因の場合は漢方薬では十分な効果は期待できないでしょう。また、漢方薬は効果が出てくるまで時間がかかります。そのため、治療に半年以上かかることもあるでしょう。

4.漢方薬を処方してもらう方法

この項では、自分に合った漢方薬を処方してもらう方法を解説します。ぜひ、参考にしてください。

4-1.漢方薬を処方してもらう方法

高プロラクチン血症の治療薬として漢方薬を処方してもらう場合は、病院で処方してもらう方法と、漢方薬局を利用する方法があります。漢方薬局とは、漢方薬を専門に調剤・販売している薬局で、現在は妊活の相談窓口を設けているところも多いでしょう。不妊治療の一環として、高プロラクチン血症の治療方法を相談するために漢方薬局を利用する人もいます。

現在はホームページを開設している薬局も多いので、初めて利用する場合は、最寄りの漢方薬局を探してみましょう。

4-2.漢方薬局の利用方法

漢方薬局では、薬剤師が患者の症状を聞き、脈や舌の状態を診て、その人に合った漢方薬を調合してくれます。漢方薬には副作用がないイメージがありますが、そんなことはありません。薬の飲み合わせや持病によっては、副作用が出ます。ですから、常備薬や持病がある人は必ずお薬手帳を持参し、薬剤師に持病についても説明してください。

漢方薬は最低でも2週間は飲まなければ、効果は期待できません。ですから、最初は1か月分処方してもらうとよいでしょう。値段は1~2万円前後が相場です。高価な生薬は、顧客に無断で使用することはありません。通常のドラッグストアで購入する薬と比べて、極端に高いということはないでしょう。

4-3.漢方薬局の選び方

漢方薬局には、歴史ある店舗から、初めての人でも入りやすい造りになっているところまでさまざまです。高プロラクチン血症の治療に漢方薬を利用したい場合は、妊活についての相談窓口があるところを利用すると、病気以外の体の不調について相談に乗ってもらえます。医心堂薬局では、電話やメールでも生活習慣改善などの相談を承っているので、遠方にお住まいの方でも、ぜひご利用ください(漢方薬の処方を希望する場合は、ご来店いただく必要があります)。

5.高プロラクチン血症に関するよくある質問

Q.高プロラクチン血症の自覚症状はありますか?
A.女性の場合は、高温期が出ない・子宮が痛む・頭痛といった症状が出ることもあるでしょう。男性の場合は、生殖器が勃起しにくくなって異常に気がついた、という人もいます。

Q.薬が原因で高プロラクチン血症になった場合は、薬を変えなければなりませんか?
A.はい。薬を変える必要はあるでしょう。よく似た成分の薬もありますので、医師と相談してください。

Q.高プロラクチン血症で命にかかわることはありますか?
A.腫瘍が原因の高プロラクチン血症の場合は、注意が必要です。大きくなっていく腫瘍の場合は、早急に手術をすすめられるでしょう。この場合は、かかりつけ医が専門医を紹介してくれることもあるので、よく相談してください。

Q.高プロラクチン血症で漢方薬を利用する場合、注意点はありますか?
A.漢方薬局を利用する前に、病院で高プロラクチン血症の原因を突き止めてもらいましょう。腫瘍や薬剤が原因の場合は、漢方薬では効果が期待できません。

Q.漢方薬の治療は、男性でも効果がありますか?
A.もちろんです。妊活のことも含めていろいろと相談をしてみましょう。時間はかかりますが、今までの悩みが解決するかもしれません。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回は、高プロラクチン血症について解説しました。まだ認知度が低い病気ですが、不妊の原因にもなりますので、妊娠を希望していない人でも、早急に治療をしておいたほうがよいでしょう。また、ストレスが原因で発症した場合は、他にも体調に影響が出ている可能性もあります。今までの生活を振り返り、しばらく休養を取ってみてもいいですね。
なお、漢方薬を利用しての治療はすぐに効果が出にくいので、1、2回漢方薬を服用し、効果が出ないとあきらめてはいけません。まずは1か月、漢方薬を服用し続けてみてください。そうすれば、効果が実感できるようになる人もいるでしょう。焦りは禁物ですよ。