自律神経の乱れはどう対処すればいい? 漢方薬が効果的なケースも


自律神経とは、血管や内臓の働きといった意志の力ではコントロールできない体の動きをつかさどっている神経のことです。この働きが乱れることで不眠・下痢・便秘・血圧の上昇といったさまざまな不具合が起こります。一度自律神経の働きが乱れると、正常に戻るまでに時間がかかることも珍しくありません。自律神経の働きを整えるために漢方を用いてみたいという方もいらっしゃるでしょう。

今回は、自律神経の役割や自律神経が乱れる弊害、漢方を用いて自律神経を整える方法などを解説します。

  1. 自律神経の基礎知識
  2. 自律神経のセルフチェック
  3. 漢方を用いた自律神経の整え方
  4. 漢方薬局を利用する方法
  5. 自律神経や漢方に関するよくある質問

この記事を読めば、自律神経が乱れた場合の対処方法や自分に合った漢方薬を処方してもらう方法がよく分かるはずです。自律神経が乱れがちという人や自律神経を整えたいという人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.自律神経の基礎知識

はじめに、自律神経の役割や乱れる原因、それによる弊害などを解説します。

1-1.自律神経の役割

前述したように、自律神経は血管や内臓の働きといった意志の力ではコントロールできない体の働きをつかさどっています。呼吸・消化吸収・血圧・体温の維持といったものはすべて自律神経の働きによるものです。自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があります。交感神経が活発になると、血圧が上昇し頭がさえ、体が活発に動くようになります。副交感神経が活発になると、体がリラックスし神経が休まります。昼間に交感神経が活発になり、夜になると副交感神経が活発になるのが健康な状態です。

1-2.自律神経の乱れとはどういう状態?

自律神経が乱れているといわれるのは、何らかの原因で交感神経と副交感神経のバランスが崩れた状態です。たとえば、昼間でも副交感神経が活発であれば、耐えがたい眠気や集中力の低下・低血圧などが症状として現れるでしょう。逆に、夜間に交感神経が活発なままだと、不眠やイライラなどの症状が現れます。このほか、便秘や下痢・消化不良・免疫力の低下といった症状が現れることもあるでしょう。

1-3.自律神経が乱れる原因

自律神経が乱れる原因には、ストレス・環境の変化・疲労・生活習慣の乱れなどがあげられます。また、大病をした結果、生活習慣が変わり、自律神経が乱れて症状が現れるケースもあるでしょう。自律神経が乱れた結果、不眠や高血圧や便秘等の症状が現れて脳出血・心筋梗塞等の病気を発症する可能性もあります。

1-4.自律神経が乱れる弊害

自律神経が乱れると、いろいろな体の不調が現れます。自律神経は体のさまざまな機能をつかさどっているため、人によって症状の現れ方が異なるのです。そのため、別の病気や詐病(さびょう)と誤解されることもあるでしょう。また、自律神経の乱れには明確な治療法がありません。自律神経がうまく働かないまま長い年月がたつと、正常に戻るまでに時間がかかります。その間、日常生活に深刻な影響が出ることも珍しくないのです。

2.自律神経のセルフチェック

自律神経が乱れているかもと思っている人は、以下の項目をチェックしてみましょう。

  • 過度なストレスがかかっている自覚がある
  • 不眠・過眠・イライラ・食欲不振・便秘・下痢など複数の症状が出ている
  • 病院を受診して検査をしても、特に問題はない
  • 病院で処方してもらった薬が効きにくい

このような症状が現れている場合は、自律神経の乱れが体調不良の原因である可能性があります。

3.漢方を用いた自律神経の整え方

この項では、漢方を用いた自律神経の整え方や自分に合った漢方薬を処方してもらう方法を解説します。

3-1.自律神経を整える一般的な方法とは?

乱れた自律神経を即座に整える方法は現在のところありません。病院で体や心の症状を軽減する薬を処方してもらいながら、生活習慣や食生活の指導を受ける方法が一般的です。たとえば、睡眠不足にならないように生活習慣を整え、適度な運動等でストレスを発散します。暴飲暴食や過度な飲酒は胃腸に負担もかかるので控えましょう。こうした方法で自律神経が整う人もたくさんいる一方で、いまひとつ効果が実感できない人もいるでしょう。

3-2.東洋医学における自律神経が乱れる原因

東洋医学とは、中国を中心に東アジア一帯で発展してきた医学です。東洋医学においては、体内で気・血・水(血以外の水分)が規則正しく巡っていることを健康な状態といいます。自律神経の乱れは、気滞(きたい:気が滞ってスムーズに流れない)・気虚(ききょ:気が不足している)状態と考えられ、漢方薬を用いて気の流れを正常に戻す必要があるのです。

3-3.漢方薬を用いた治療がおすすめのケース

漢方薬は、草・木・鉱物から作られた生薬を原料としています。そのため、効き目が穏やかで長期間服薬することが可能です。長期間自律神経が乱れているという場合、自律神経が乱れやすい体質の可能性があります。漢方薬の服用により、体質の改善が期待できるでしょう。また、病院からの処方薬の効果があまり実感できないときにも漢方薬が効果的なケースがあります。

3-4.自律神経を整えるのに使われる漢方薬

自律神経の乱れには、以下のような漢方が用いられることが多いでしょう。

  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):イライラを鎮め、不眠を解消する効果がある
  • 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):不安やイライラを鎮めたり食欲不振を改善したりする効果がある
  • 加味逍遥散(かみしょうようさん):イライラを鎮めて気分を落ち着かせ、不眠を解消する効果がある

今回ご紹介した漢方薬以外にも、患者様の症状や体質・経過・生活習慣などによって最適な漢方薬が選択されます。

4.漢方薬局を利用する方法

漢方薬局とは漢方薬の調剤・販売を専門に行う薬局のことです。調合済みの漢方薬がドラッグストアでも販売されていますが、自分の症状や体質に合った漢方薬を服用したほうが高い効果が期待できます。近年は初めての人でも利用しやすいように相談窓口を設けている漢方薬局も増えました。薬剤師に悩んでいる症状や体質などを詳しく相談すれば、自分に合った漢方薬を調剤してもらえます。現在、薬を服用している人はお薬手帳を持参してください。なお、漢方薬を用いて体質の改善を試みる場合は、まず2週間分服用してみましょう。

医心堂薬局では、お客様の症状や体質・今までの経過などを詳しくお聞きして体質や症状に合った漢方薬を調合しています。調合した漢方薬の種類にかかわらず、15日分¥11,340(税込)です。漢方薬の無料相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

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5.自律神経や漢方に関するよくある質問

Q.子どもでも、自律神経は乱れるのでしょうか?
A.はい。受験のストレスや二次性徴によるホルモンの乱れが原因で、自律神経が乱れることは珍しくありません。

Q.自律神経の乱れは、自分だけでは整えられないのでしょうか?
A.多少の体調不良ならば、食生活や生活習慣を見直せば治ることもあります。しかし、不眠やイライラが慢性化すると、服薬をしながら生活習慣を整えたほうが効果的です。

Q.漢方薬は子どもでも服用できますか?
A.はい。独特な苦みはありますが、はちみつなどと混ぜることでおいしく飲んでいただけます。

Q.自律神経の乱れを検査することはできますか?
A.いくつか検査方法はありますが、時間がかかるのであまり用いられません。患者さんから症状を聞き、血液やレントゲン等の検査結果に異常がなければ自律神経の乱れと判断されることが一般的です。

Q.男性と女性では、どちらが自律神経が乱れやすいでしょうか?
A.女性のほうが女性ホルモンの影響等もあり乱れやすいようです。

まとめ

いかがでしたか? 今回は自律神経の役割や乱れる原因、漢方薬を用いた治療方法などを紹介しました。自律神経が乱れると体にさまざまな不調が出ます。「検査の結果、病気ではなかったが体調が悪い」といった状態が長く続く場合は、一度漢方薬を用いた治療を試してみましょう。

監修者

医心堂薬局 店主 佐竹康秀

佐竹 康秀
医心堂薬局 店主

薬剤師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

星薬科大学を卒業後、漢方の道へ。同時に鍼灸の勉強も開始。平成4年に医心堂薬局を開局。漢方歴33年・鍼灸歴30年
「それは本当に患者様のためですか?」を常に考え治療をしている。

医心堂薬局総本店店 石川篤

石川 篤
医心堂薬局総本店 店長

薬剤師・日本漢方連盟会員・生活習慣病予防士

東京薬科大学卒業/漢方歴24年
「お客様の笑顔」を創出するため、漢方だけでなく食事・考え方など、一人一人に合ったアドバイスを提供。医師・薬剤師を対象とした漢方講座も行っている。