膝痛の原因や対処方法を解説! 漢方薬で症状が改善できる?
加齢やスポーツのし過ぎ、事故の後遺症などで膝痛に悩まされている人は多いでしょう。また、膝痛は膝の関節や筋肉が原因で起こるものがある一方、原因不明というケースも珍しくありません。特に、20代~40代で膝痛に悩まされている人の中には、原因が分からず悩んでいる人が多いでしょう。膝痛の改善方法はいろいろありますが、漢方を用いた治療が効果的な例もあります。
今回は、膝痛の原因や対処方法、漢方を用いた改善方法を解説しましょう。
- 膝痛の基礎知識
- 膝痛の対処方法や予防方法
- 漢方で膝痛をやわらげる方法
- 自分に合った漢方薬を処方してもらう方法
- 膝痛や漢方薬に関するよくある質問
この記事を読めば、漢方を用いるメリットや自分に合った漢方を処方してもらう方法もよく分かります。膝痛に悩んでいる人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.膝痛の基礎知識
はじめに、膝痛が起こる原因や膝痛を起こしやすい人などを紹介します。
1-1.膝痛に悩む人が多い理由
膝は、体の中で最も負担がかかる関節の1つです。立っているとき、歩いているときはもちろんのこと、座っているときも膝には一定の負担がかかっています。スポーツなどで激しく動けば、さらに負担がかかるでしょう。その結果、膝関節に負担がかかりすぎて痛みが出ることもあります。また、膝関節は太ももの骨・すねの骨・半月板(膝のお皿)を腱・筋肉・筋などが繋(つな)いで成りたっているものです。加齢によって筋肉が衰えたり、骨の先についた軟骨がすり減ったりしても痛みを感じやすいでしょう。
1-2.膝痛が起こる原因
この項では、膝痛が起こる原因の代表例を紹介します。
- ケガ:膝はケガをすることが多く、後遺症で痛みが出ることもある。また、治療が不十分なのに無理をして動かし続けると、痛みが長引くことも
- 加齢:年齢と共に、膝の軟骨などがすり減り回復が追い付かなくなって痛みが出る。ひざの関節が変形する場合もあり
- 肥満:肥満になると膝の負担がより大きくなり、痛みが出やすい
- 病気:関節炎・リウマチなど関節の病気
- 血行不良:原因不明の膝痛は血行不良だったというケースもある
- 気候:雨の日になると体内でヒスタミンが増え、膝痛が症状として現れることもある
1-3.痛みと共に現れる症状
膝痛は痛みが主な症状ですが、痛みと共に関節の変形・腫れ・膝に水がたまるといった症状が現れることもあります。特に、関節の変形は変形性膝関節症(へんけいせいかんせつしょう)や関節リウマチといった病気の症状でもあるので、関節の変形が見られる場合は、至急整形外科を受診してください。
2.膝痛の対処方法や予防方法
この項では、膝痛の対処方法や予防方法を解説します。
2-1.膝痛が起こったら
膝痛が起こったら、まずは整形外科を受診しましょう。前項でご紹介したように、膝痛の原因はさまざまで、個人では判断がつきません。また、憶測で対処をするとかえって悪化してしまう可能性もあります。まずは整形外科でレントゲン検査、血液検査などを受ければ、ほとんどの場合原因が特定できるでしょう。投薬・手術などが必要になった場合は、医師とよく相談をして治療方法を決めてください。
2-2.サポーターをまく
膝痛の原因が、筋肉などの衰えだったりした場合は、サポーターで筋肉を支えてあげると痛みがやわらぐこともあります。サポーターの巻き方は、病院で教えてもらってください。
2-3.整体院で施術を受ける
筋肉の柔軟性を増すことで、膝痛がやわらぐこともあります。整体院で施術を受けると、筋肉の柔軟性が増すこともあるでしょう。
2-4.膝を冷やさない
冷えによる血行不良は、膝痛が増すこともあります。膝を冷やさないように心がけましょう。女性の場合はスカートをはく際には、ストッキングなどをはくといいですね。夏場も冷房の効いた場所に出かける際は、膝の防寒対策をしっかりと行いましょう。
2-5.膝痛を予防する方法
膝痛を予防するには、以下のような方法があります。
- 運動をする前と行った後は、適度なストレッチで筋肉をほぐす
- 膝に痛みを感じたら、運動をやめて治まるまで安静にする
- 適度な運動をして膝に筋肉をつけ、血行を促進させる
- 肥満にならないよう食生活を工夫する
- サプリメントなどを取る
- 膝を冷やさないように心がける
特に、運動は不足してもしすぎても、膝にはよくありません。運動不足の人はいきなりジョギングなどの激しい運動をするより、まずは筋肉を鍛える運動を行いましょう。肥満の人は、水中ウォーキングなどもおすすめです。なお、膝痛を感じ、再発を防ぐために運動を行いたいという場合は、医師と相談をしてから行いましょう。
3.漢方で膝痛をやわらげる方法
この項では、漢方を用いた膝痛対処方法を紹介します。
3-1.東洋医学における膝痛の考え方
東洋医学とは中国を中心に東アジアで発展してきた医学で、2,000年以上の歴史があります。東洋医学では、西洋医学とは異なり、体内で気・血・水(血以外の水分)が規則正しく巡ることで、健康が維持されていると考えているのです。つまり、何らかの原因で気・血・水の巡りが乱れたり、滞ったり、足りなくなったりすることを東洋医学では病気と考え、漢方を用いて改善を試みます。膝痛は、東洋医学では血や水が足りない状態、血や水の流れが滞っている状態です。
3-2.漢方薬を用いた治療に向いている人
1でご紹介したように、膝痛は原因不明のケースもあります。そのような場合は、膝の血行不良や心理的な要因、自律神経の問題など、さまざまな要因が絡まり合って膝痛となって表れていることもあるでしょう。「膝痛があるので病院を受診したが、特に異常は見つからなかった」という場合は、漢方を用いた改善方法を試してみてください。
3-3.膝痛の改善に用いられる漢方薬
膝痛みの改善には、以下のような漢方薬が用いられます。
- 苓姜朮甘湯(リョウキョウジュツカントウ):腰から足にかけて強い冷えを感じる人や、膝痛・腰痛の人に用いられる
- 防巳黄耆 (ボウイオウギトウ):水太り傾向にあり足がむくみやすく足のだるさを訴えることの多い人に用いる
- 麻杏薏甘湯(マキョウヨクカントウ):関節のこわばり、腰痛、足のむくみなどがあり夕方になると膝の痛みが増強する人に用いられる
なお、このほかにも症状や体質に合わせて漢方薬が用いられます。
4.自分に合った漢方薬を処方してもらう方法
漢方薬局とは、漢方薬の調合・販売を専門に行っている薬局です。漢方薬局では、薬剤師が顧客の症状や体質を詳しく聞き、その人に合った漢方薬を処方してくれます。現在は、初めての人でも利用しやすいように相談窓口を設けているところもあるので、ぜひ利用してみましょう。なお、プライバシーは保たれているので安心して利用してください。現在、服用している薬がある場合は、お薬手帳を持参しましょう。
医心堂薬局では、お客様の症状や体質・今までの経過などを詳しくお聞きして体質や症状に合った漢方薬を調合しています。調合した漢方薬の種類にかかわらず、煎じ薬は15日分¥11,340(税込)・粉薬は15日分 9,720円です。無料相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
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5.膝痛や漢方薬に関するよくある質問
Q.膝痛みは加齢のせいだからしょうがない、と診断された場合も漢方は有効ですか?
A.漢方薬が痛みの緩和に効果的なケースもあります。まずは漢方薬剤師に相談し、痛みをやわらげる効果のある漢方薬を服用してみてください。
Q.漢方薬は子どもでも服用できますか?
A.漢方薬には独特の苦みがありますが、煎じ薬は砂糖やはちみつを混ぜたり、粉薬はオブラートなどに包んだりすればかなり飲みやすくなるでしょう。
Q.膝痛に効果的な漢方薬は、冷え症も改善できますか?
A.冷えに効果的な漢方は、膝痛の改善にも用いられますが、まずは薬剤師に相談してください。
Q.漢方薬はサプリメントとは違うのですか?
A.漢方薬はれっきとした薬ですから、薬剤師以外は調剤できません。購入も薬局に限られます。
Q.膝痛は温めてはいけないものはあるでしょうか?
A.膝関節が急性の炎症を起こしている場合は、温めてはいけません。急に激しい痛みを感じた場合は、冷やしましょう。
まとめ
今回は膝痛の原因や対処方法、漢方を用いた治療方法などを紹介しました。膝痛は多くの対処方法がある一方で、自己流の対処方法をしてしまい、症状が悪化することもあります。まずは病院で原因を特定し、それから漢方薬などを用いた適切な対処方法を取りましょう。
監修者
佐竹 康秀
医心堂薬局 店主
薬剤師・日本漢方連盟会員・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
星薬科大学を卒業後、漢方の道へ。同時に鍼灸の勉強も開始。平成4年に医心堂薬局を開局。漢方歴33年・鍼灸歴30年
「それは本当に患者様のためですか?」を常に考え治療をしている。
石川 篤
医心堂薬局総本店 店長
薬剤師・日本漢方連盟会員・生活習慣病予防士
東京薬科大学卒業/漢方歴24年
「お客様の笑顔」を創出するため、漢方だけでなく食事・考え方など、一人一人に合ったアドバイスを提供。医師・薬剤師を対象とした漢方講座も行っている。