腎虚の症状や対処方法を解説! 自分に合った漢方薬を購入する方法も紹介


腎(じん)とは東洋医学独特の言葉で、内分泌系・泌尿器・生殖器・免疫系・中枢神経系に関わる機能の総称です。また、東洋医学では腎には精気が蓄えられると考えています。その精気が不足した状態が「腎虚(じんきょ)」です。腎虚になるとさまざまな体の不調が現れ、場合によっては免疫力や回復力まで低下してしまいます。体の調子がずっと悪いのに病院で検査をしても異常がなかったという場合は、腎虚の可能性もあるでしょう。

今回は、腎虚の原因や症状、漢方薬を用いた改善方法を解説します。

  1. 腎虚の基礎知識
  2. 腎虚のセルフチェック
  3. 腎虚の対処方法や漢方薬を用いた改善方法
  4. 漢方薬局を利用する方法
  5. 腎虚や漢方薬に関するよくある質問

この記事を読めば、腎虚の症状等だけでなく自分に合った漢方薬を処方してもらう方法も分かるでしょう。病気ではないけれど、体調不良に悩んでいるという人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.腎虚の基礎知識

はじめに、腎虚の症状や原因等を解説します。

1-1.腎とは何か?

前述したように、腎(じん)は東洋医学の考え方に基づく体の機能です。東洋医学では、体を腎・肝・心・脾(ひ)・肺の5つの機能から成り立っており、これらを気(精気)・血・水(血以外の体液)が規則正しく巡ることで健康が保たれていると考えています。

腎は、成長・発育・生殖・排泄(はいせつ)等をつかさどり、腎が衰えるとこれらの機能も衰えてしまうでしょう。つまり、東洋医学では老化は腎の衰えなのです。

1-2.腎虚とは何か

東洋医学では、腎には精気を蓄える場所と考えられています。腎虚とは、腎に精気が不足している状態です。腎に蓄えられる精気には陽気と陰気があります。陽気は体を温め活力を与える精気であり、陰気は体にうるおいと栄養を与える精気です。腎虚には、精気そのものが足りていない状態のほか、陽気が不足している腎陽虚(じんようきょ)、陰気が不足している腎陰虚(じんいんきょ)があります。

1-3.腎虚の症状

腎虚になると、腎の機能が低下して「老化」が起こります。髪の毛が白くなる、耳が聞こえにくくなる、生殖能力の低下、物忘れなどはみな腎虚の症状です。このほか、腎陽虚になると手足の冷えや疲れやすさが症状として現れやすくなり、腎陰虚になると体の水分が不足しがちになり、のぼせや目の乾き・目の疲れなどといった症状が現れやすくなるでしょう。

1-4.腎虚になりやすい人とは?

腎に蓄えられている精気は、20代がピークでだんだんと減っていきます。ただし、ストレスや冷え・栄養不足などが続くと、精気が早く減少してしまうでしょう。20代以降は、仕事や出産・育児などで性別問わず、体を酷使しがちです。毎日忙しくてストレスや疲れがたまりがちな人や、冷え性、慢性寝不足などの体の不調を抱えている人は、40代以降に腎虚になりやすいでしょう。

2.腎虚のセルフチェック

自分は腎虚かもしれないと思った人は、以下の項目をチェックしてみましょう。

  • 年齢の割に生殖能力が低下している(女性は不妊症、男性はEDなど)
  • 体力の低下をはっきりと自覚している
  • 一度体調を崩すとなかなか回復しない
  • 下痢・便秘・排尿困難など排泄関係の不調が続いている
  • 物忘れが激しくなった
  • 足腰が弱くなり、腰痛が起こりやすい
  • 歯が抜けたり虫歯になりやすくなったりしている
  • 冷え性が悪化した
  • 更年期症状が強く出ている
  • 病院を受診したが、検査結果に異状はなく年齢のせいと言われた

このような症状がある場合は、腎虚の可能性があります。

3.腎虚の対処方法や漢方薬を用いた改善方法

この項では、自分でできる腎虚の対処法や予防方法、漢方を用いた改善方法を解説します。

3-1.腎虚の対処法その1:食生活を改善する

腎は、以下のような食材で機能を回復したり、元気にしたりすることができます。

  • 体を温める食材:ショウガ・シナモン・エビ・ニラ・牛肉・鶏肉など
  • 黒いもの:黒豆・黒ゴマなど
  • ナッツ類:クルミ・クコ・松の実など
  • 海藻類:ノリ・昆布・ワカメなど
  • 利水作用があるもの:トウガン・ハト麦など

ただし、腎を元気にする食材でも暴飲暴食をしてはいけません。腹八分目を心がけ、食事はゆっくりと取りましょう。また、食生活の改善は腎虚の予防にも効果的です。

3-2.腎虚の対処方法その2:生活習慣を改める

規則正しい生活や、質のよい睡眠は腎を元気にします。体を冷やさないことも大切です。冷え性を自覚している人は、夏でもしっかりと湯船につかって体を温めましょう。のぼせに悩んでいる人も、体を温めて血行を改善することでのぼせが解消する可能性があります。また、適度な運動は血行促進や気分転換に効果的です。日頃から強いストレスを受けている実感のある人は、努めて休養を取り、ストレス解消方法を見つけましょう。

3-3.漢方薬を用いた改善方法

東洋医学では腎虚の改善には漢方薬を用います。腎虚に悩んでいる人は、一度漢方薬局に相談するのがおすすめです。腎虚の改善に用いられる漢方薬は以下のようなものになります。

  • 六味丸(ロクミガン):排尿困難や残尿感がある人、疲れやすい人、むくみや皮膚のかゆみを感じやすい人に用いる
  • 八味地黄丸(ハチミジオウガン):体力がなく下半身に強い冷えを感じる高齢者や、夜間頻尿・残尿感・軽い尿もれなど老化の諸症状を感じる人に用いる
  • 牛車腎気丸(ゴシャジンキガン):体力がなく手足が冷たく感じる人や、動くと体の節々が痛む人、尿量が少なくむくみのある人などに用いる

なお、これ以外にも症状や体質に合わせてさまざまな漢方薬が用いられるので、漢方薬剤師に相談してください。

4.漢方薬局を利用する方法

漢方薬局とは、漢方薬の調合・販売を専門に行っている薬局です。調合済みの漢方薬も取り扱いますが、漢方薬に詳しい薬剤師が一人一人の症状や体質を詳しく聞き、その人に合った漢方薬を処方してくれます。最近は専門の相談窓口やホームページから相談を受けつけている薬局も増え、初めての人でも利用しやすくなりました。漢方薬局ではお客様のプライバシーは保たれているので、安心して薬剤師に悩んでいる症状を相談してみましょう。なお、初めて漢方薬局を利用する際、すでに服薬している薬がある場合は必ずお薬手帳を持参してください。

医心堂薬局でもお客様の症状や体質・今までの経過などを詳しくお聞きして体質や症状に合った漢方薬を調合しています。調合した漢方薬の種類にかかわらず、煎じ薬は15日分¥11,340(税込)・粉薬は15日分 9,720円です。無料相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

医心堂薬局 無料相談のお申し込み
http://www.ishindo.net/無料相談のお申し込み.htm

5.腎虚や漢方薬に関するよくある質問

Q.腎虚は、何歳くらいからなりやすいでしょうか?
A.一概には言えませんが、40代半ばから悩む人が増えてきます。

Q.漢方薬を利用してみたいのですが、費用が心配です。
A.漢方薬の中には高価な生薬を用いるものもありますが、そのようなものは一部なので心配はいりません。相場は、2週間分1万円代~です。

Q.漢方薬はどのくらい飲み続ける必要がありますか?
A.漢方薬は最低でも2週間飲み続けないと効果が実感できません。ですから、まずは2週間分を処方してもらって服薬してみてください。

Q.漢方薬はどのように服用しますか?
A.粉薬や煎じ薬が一般的です。煎じ薬の場合は、漢方薬局で煎じてくれるところと、自分で煎じるように指導されるところがあります。煎じる道具も漢方薬局で購入可能です。

Q.腎虚は、漢方薬でどのくらい改善が期待できますか?
A.個人差はありますが、日常生活が問題なく行える程度の改善は期待できるでしょう。

まとめ

いかがでしたか? 今回は腎虚の症状や漢方薬を用いた改善方法を紹介しました。「年だから」とあきらめていた諸症状は、漢方を服薬することで改善する可能性があります。「病院を受診しても異常はなかったが、つらい症状で悩んでいる」という人は、ぜひ漢方薬局に相談してみてください。

監修者

医心堂薬局 店主 佐竹康秀

佐竹 康秀
医心堂薬局 店主

薬剤師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

星薬科大学を卒業後、漢方の道へ。同時に鍼灸の勉強も開始。平成4年に医心堂薬局を開局。漢方歴33年・鍼灸歴30年
「それは本当に患者様のためですか?」を常に考え治療をしている。

医心堂薬局総本店店 石川篤

石川 篤
医心堂薬局総本店 店長

薬剤師・日本漢方連盟会員・生活習慣病予防士

東京薬科大学卒業/漢方歴24年
「お客様の笑顔」を創出するため、漢方だけでなく食事・考え方など、一人一人に合ったアドバイスを提供。医師・薬剤師を対象とした漢方講座も行っている。