眠れない悩みは漢方で解決! ぐっすり眠るためのおすすめ漢方薬も紹介


十分な睡眠は健康の源です。「眠りたいのに眠れない」そんな日が続くと、日中の生活にも支障をきたしてしまいます。不眠を解消したいと思っても、中には「睡眠薬は飲みたくない」という人もいることでしょう。そんなときには、漢方の考え方が役立ちます。不眠の原因や一人ひとりの体質・状態に合わせた漢方薬は、全身のバランスを整え、眠れない状態の改善が期待できるのです。この記事では、眠れなくて悩んでいる人のために、漢方を用いる方法を紹介します。

  1. 眠れない原因を知ることが不眠解消の第一歩
  2. 眠れない場合に試したい不眠解消法
  3. 眠れない状態を漢方医学で考えて解決を
  4. 眠れないときに用いられる漢方薬
  5. 漢方薬局に相談するときのポイント
  6. 不眠と漢方に関するよくある質問

この記事を読むことで、不眠のとき睡眠薬に頼らず漢方を用いる方法が分かります。自分の心身のバランスを整えるためにも、ぜひ取り入れてください。

1.眠れない原因を知ることが不眠解消の第一歩

人間の睡眠リズムは、夜眠りについて朝目覚めるというものです。このリズムが何らかの原因で崩れると眠れなくなります。なぜ眠れなくなるのか、その原因を見てみましょう。

1-1.眠れない4つのタイプ

「眠れない」という状態は、以下の4つのタイプに分かれます。

  • 寝ようと思ってもなかなか寝つけない
  • 夜中に何度も起きてしまう
  • 朝早く目覚めてしまう
  • 眠りが浅くて熟睡できない

1-2.眠れない原因とは

眠れない状態を引き起こす原因はさまざまです。主なものを紹介します。

  • 精神的要因:心配ごとや悩み、イライラや極度の緊張があるときに眠れないことがある。これは、ストレスで自律神経が乱れたり、いろいろ考えすぎて脳が興奮状態になったりすることで不眠を引き起こすと考えられている
  • 身体的要因:痛みやかゆみ、冷えなど体の状態によるもの。更年期や加齢によって、眠りの質が低下することもある
  • 環境的要因:騒音や振動、明るさや気温・湿度など、環境的な要因によるもの
  • 生活習慣の要因:不規則な生活、夜遅くまでPCやゲーム、スマホの画面を見ているなど。飲酒、カフェイン、タバコの習慣が関係することもある

1-3.不眠を引き起こす病気

眠れないことが頻繁にあり、それが1か月以上続くと「不眠症」と呼ばれます。不眠症は睡眠障害の一種です。「眠れない」という症状は、ほかの病気が引き起こしている場合があります。たとえば、夜間頻尿で目覚めてしまう、アトピーのかゆみで熟睡できないなどです。また、うつ病や神経症の症状として不眠が現れることが知られています。

2.眠れない場合に試したい不眠解消法

不眠の状態を改善するためには、まず不眠を起こす原因を取り除くことです。そのうえで、眠るためにできることを考えてみましょう。

2-1.運動・ストレス解消・刺激を与えないこと

  • リラックス:軽いストレッチ、ぬるめのお風呂に入る、キャンドルやアロマを利用する
  • 刺激を与えない:明かりを消す、寝る1時間前にはテレビやスマホなどの画面は見ない、寝る前はカフェイン・タバコ・お酒は控える
  • 環境を整える:寝室を適温にする、自分に合った枕・気温に合った寝具を使う
  • リズムを整える:毎日同じ時間に起きる、朝起きたら朝日を浴び、夜寝るときには明かりを消す、日中は適度な運動をする

2-2.不眠改善の注意点

眠れないからといって布団の中で本を読んだりしてはいけません。「布団は眠る場所」という習慣をつけるためにも、布団の中に本やスマホなどを持ち込まないようにしましょう。また、入浴はリラックス効果がありますが、お湯が熱すぎると目がさえてしまいます。お湯はぬるめにして1時間前までに済ませましょう。

3.眠れない状態を漢方医学で考えて解決へ

「眠れない」という症状を、漢方医学の側面から考えてみましょう。

3-1.漢方の考え方と西洋医学との違い

漢方には「気・血・水(き・けつ・すい)」という考え方があります。この3つが体の中をスムーズにめぐっているときが、心身ともに健康な状態というものです。不眠はこの「気」が滞っている状態にあたります。「気」とは元気の「気」、つまり生きるエネルギーのことです。疲労やストレスがたまると「気」のめぐりが妨げられてしまいます。すると余分な熱が頭にのぼり、脳を疲れさせるのです。また、「血」が不足したり過剰になったりすることも不眠につながります。

3-2.漢方のメリットと、おすすめの人

漢方は、西洋医学の睡眠薬のように直接睡眠を誘発することはありません。「気・血・水」のバランスを整えることで間接的に不眠に働きかけていきます。この点が、西洋医学との違いです。漢方では自然な形の眠りを目指すのがメリットといえます。そのため、睡眠薬に依存したくない人、抗不安薬を飲むことに抵抗感や罪悪感を持つ人に向いているといえるでしょう。

3-3.漢方を取り入れるときの注意点

漢方薬は多くの場合、症状だけでなくその人の体質に合わせて処方されるものです。このとき、用いられる一人ひとりの体や心の状態を「証(しょう)」といいます。証とは、その人の持つ体力・抵抗力・体質・症状の現れ方などの個人差のことです。同じ症状でも証の違いによって処方される漢方薬が異なることがあります。漢方薬を取り入れる前に、自分の証を知ることが大切です。

  • 実証(じっしょう):体力がある・血色がよい・疲れにくい・胃腸が丈夫・声が大きい・食欲旺盛
  • 虚証(きょしょう):体力がない・顔色が悪い・疲れやすい・胃腸が弱い・声がか細い・小食

このほかにも陰証・陽証によって体の反応や体調を判断したり、寒証・熱証で悪寒や熱感を確かめたりすることもあります。

4.眠れないときに用いられる漢方薬

前述のように、漢方では「証」によって処方される薬が違います。ここでは不眠の緩和に用いられる代表的な漢方薬を紹介しましょう。

4-1.心因性の不眠には柴胡(さいこ)剤が有効

【実証】体力が中等度以上あり、精神不安や高血圧の人には、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)がおすすめです。気をめぐらせ、体にこもった熱を発散させてくれるため、脳の興奮状態を治めて心も落ち着かせてくれます。
【虚証】体力がなく貧血気味で神経過敏な人、更年期障害がある人には、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)がいいでしょう。これは、柴胡剤の中では虚弱な人を対象としたもので、過敏な神経をいやし、体の熱を取って心身の働きを整えてくれます。

4-2.眠りにくいときは肝(かん)をしずめる

【実証】黄連解毒湯(おうれんげどくとう)は、体力がありのぼせ気味の人、イライラして落ち着かない人に向いているでしょう。黄連は肝をしずめてイライラを抑えてくれます。
【虚証】体力が低下して胃腸虚弱で怒りっぽい人には、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)がおすすめです。「血(けつ)」の不足を補い、自律神経系を調節しながら気と血をめぐらせます。

4-3.途中で目覚めるなら加味逍遙散(かみしょうようさん)を

夜中に何度も目覚めてしまうときには、実証・虚証を問わず加味逍遙散(かみしょうようさん)がおすすめです。更年期障害からくる不眠にも効果的でしょう。

5.漢方薬局に相談するときのポイント

不眠は放っておくと慢性化してしまいます。長引かせないためには、早めに漢方薬局に相談することが大切です。ここでは相談のポイントを紹介します。

5-1.「証」を見極めるために無料相談を利用しよう

​最近の漢方薬局は、初めての人でも相談しやすいよう相談窓口を設けているところもあります。医心堂薬局では、無料相談を受け付けているので、不眠に悩んだら相談してみましょう。
前述のとおり、漢方には「証」という考え方があります。同じ薬でも証によって作用が違うことがあるので、まずは証を見極めることが大切です。漢方薬局では「証」を見るために不眠の症状と直接関係のないと思うようなことも質問されるでしょう。「証」を知ることは漢方においてとても大切です。自己判断しないで、専門家に見てもらいましょう。

医心堂薬局 無料相談のお申し込み
https://www.ishindo.net/無料相談のお申し込み.html

5-2.漢方薬の飲み方や西洋薬との飲み合わせを相談しよう

漢方薬は西洋薬とは飲み方が違います。煎じ薬・エキス剤・散剤・丸剤・錠剤など形態もさまざまなので、自分が飲みやすいタイプを処方してもらえるよう相談しましょう。また、睡眠薬など、西洋医学の薬を飲んでいる場合や通院しているときは、あらかじめ伝えておかなければいけません。西洋薬と併用できる漢方薬もあります。薬の飲み合わせや飲み方をよく相談するといいでしょう。

6.不眠と漢方に関するよくある質問

眠れない状態を漢方で解消したいときの疑問や質問に回答しました。

Q.漢方薬で不眠を解消するには、どのくらいの期間かかりますか?
A.漢方薬は体質そのものに働きかけるので、即効性はありません。そのため、少なくとも2週間以上は飲む必要があります。治療期間は症状にもよりますが、4~6か月が目安です。

Q.漢方薬には副作用はありませんか?
A.漢方薬も薬なので副作用はあります。ただし、服用後一時的に症状が悪化しその後回復する場合は、副作用ではなく「メンゲン反応」というものです。見分けがつきにくいので、気になる症状が現れたら医師や薬剤師に相談してください。

Q.不眠を改善するためには、漢方薬を飲む以外で必要なことはありますか?
A.服薬と同時に生活習慣を改善することが大切です。それにより、漢方薬で体のバランスが整うのを助けることができます。

Q.漢方薬を飲むのをやめるとまた不眠になってしまうでしょうか?
A.心身のバランスが整い、気・血・水のめぐりがいい状態を保つことができれば、不眠を恐れることはありません。引き続き食生活や生活習慣に気をつけましょう。

まとめ

漢方薬は、一人ひとりの体質や状態に合わせた処方で心身のバランスを整えます。ぐっすり眠る毎日を過ごすためにも、日頃から、漢方の「心身一如(しんしんいちにょ:心と体は関連して一体であるという考え)」の精神で、生活習慣を見直してみましょう。

監修者

医心堂薬局 店主 佐竹康秀

佐竹 康秀
医心堂薬局 店主

薬剤師・日本漢方連盟会員・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

星薬科大学を卒業後、漢方の道へ。同時に鍼灸の勉強も開始。平成4年に医心堂薬局を開局。漢方歴33年・鍼灸歴30年
「それは本当に患者様のためですか?」を常に考え治療をしている。

医心堂薬局総本店店 石川篤

石川 篤
医心堂薬局総本店 店長

薬剤師・日本漢方連盟会員・生活習慣病予防士

東京薬科大学卒業/漢方歴24年
「お客様の笑顔」を創出するため、漢方だけでなく食事・考え方など、一人一人に合ったアドバイスを提供。医師・薬剤師を対象とした漢方講座も行っている。