男性の不妊は珍しくない? 原因や治療方法、漢方を用いた改善方法を解説


現在、日本では6人に1組のカップルが不妊に悩んでいると言われています。不妊の原因はさまざまですが、男性不妊が原因のケースが約48%だという説もあるのです。男性不妊は女性不妊に比べると情報も少なく、治療や検査に消極的な人も多いでしょう。しかし、男性不妊が原因の場合、男性が「積極的に治療しよう」という気持ちにならないと不妊の改善は難しくなります。男性不妊の治療方法は複数ありますが、漢方薬が効果的なこともあるのです。
今回は、男性不妊の種類や改善方法、男性不妊の改善に効果的な漢方薬などについて解説します。

  1. 男性不妊の基礎知識
  2. 男性不妊の種類
  3. 男性の不妊治療について
  4. 漢方を用いた男性不妊の改善方法
  5. 男性不妊に関するよくある質問

この記事を読めば、男性不妊の改善方法がよく分かるでしょう。不妊に悩んでいる男性は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.男性不妊の基礎知識

はじめに、男性不妊の定義や男性不妊の種類などを紹介します。

1-1.不妊の定義

不妊とは、妊娠を望むカップルが避妊をせずに定期的に性交をしても1年以上妊娠しない状態を言います。前述したように、現在は6人に1組のカップルが不妊に悩んでいるという報告もあり、不妊は決して珍しいことではありません。不妊に悩むカップルの数は年々増加しています。これは、男女とも結婚する平均年齢が上がっていることも原因の1つです。

1-2.不妊の原因の割合

不妊の原因には、男性に原因がある場合と女性に原因がある場合、さらに男女両方に原因がある場合と原因不明のケースがあります。男性に原因がある場合は、男女両方に原因がある場合と併せて48%と言われており、10組不妊のカップルがいれば約半分は男性不妊ということです。

1-3.男性不妊の現状

現在は、「妊活」という言葉もあるくらい妊娠に備えて体調を整える女性が増えています。また、なかなか妊娠をしない場合、多くの女性が医師に相談し、必要ならば検査などを受けているでしょう。一方、男性はパートナーに促され、ようやく病院を受診する人も珍しくありません。人によっては妊娠能力の検査を受けることも消極的です。
さらに、前述したように男性不妊に関する情報はまだまだ少なく、コミュニティーもほとんどありません。男性不妊だと分かっても誰にも相談できず悩んでいる人がたくさんいます。
近年の研究によって、男性も年を取るにつれて精子が劣化することが分かってきました。男性の初婚年齢も上がっているので、これからも男性不妊に悩む人は増えていくと予想されます。

2.男性不妊の種類

この項では、男性不妊の種類を紹介します。

2-1.精子形成障害

精子形成障害とは、精子が生産されにくくなっている障害です。WHO(世界保健機関)で定められた健康な精子の定義は、以下のように定められています。

  • 精液1mlあたり精子数:2,000万以上
  • 運動している精子が:50%以上
  • 正常形態精子が:30%以上

精子の検査をしてこの基準に満たなければ精子形成障害の疑いがあるのです。精子形成障害の原因は、

  • 視床下部の異常
  • 精索静脈瘤 (せいさくじょうみゃくりゅう)
  • 停留精巣 (ていりゅうせいそう)
  • 無精子症
  • 染色体異常

などがあります。精子形成障害の診断は医師による検査が必要です。個人で判断することはできません。

2-2.精路通過障害(せいろつうかしょうがい)

精子は精巣で作られ、精巣上体、精管を通って体外へ射精されます。何らかの理由で精子の通り道が塞がれたり細くなったりして、精子が出にくくなっている状態が精路通過障害です。精路通過障害によって精子が出にくくなると、閉塞性無精子症となります。手術で精路を再建するなどすれば、無精子症が改善するケースも多いのです。

2-3.性機能障害

EDや射精障害・性欲障害などによって、うまく性交が行えない障害です。ストレスなど心理的な要因が原因というケースも多く、カウンセリングなどの治療が行われます。

2-4.副性器機能障害

精嚢(せいのう)や前立腺など生殖に関わる機能に問題があり、機能不全になっている状態です。患者さんの症状に合わせて治療が行われます。

3.男性の不妊治療について

この項では、男性の不妊治療について解説します。

3-1.不妊の診断

男性不妊は、不妊外来がある産婦人科や泌尿器科などで診断を受けることができます。インターネットを利用すれば、男性不妊の治療を行っている病院はすぐに見つかるでしょう。夫婦で治療を受ける場合は不妊外来のある産婦人科、男性だけで治療を受ける場合は泌尿器科のほうが通いやすいこともあります。
男性不妊が疑われる場合、問診や触診・レントゲン検査などのほか精子の検査を行うことが一般的です。

3-2.不妊の治療方法

男性不妊の治療方法には、以下のようなものがあります。

  • 手術
  • 薬物療法
  • カウンセリング
  • 体外受精

男性の不妊の原因は機能的な問題と精神的な問題があり、機能的な問題の場合は、手術療法や薬物療法が効果的です。一方、精神的な問題の場合はカウンセリングを行ったりストレスを解消したりして、時間をかけて問題を解決していきます。また、精子はあるが自力での射精が難しい場合は、手術で精子を取り出して体外受精することをすすめられることもあるでしょう。

3-3.不妊治療を行うタイミング

妊娠は、カップルで協力して行うものです。不妊の定義に当てはまる事態になっても、個人ではどちらに原因があるか分かりません。ですから、避妊せずに性交し、1年近くたっても妊娠しない場合はカップルで同時に検査を行い不妊治療をスタートさせることが大切です。

3-4.自分でできるケア

男性の生殖機能は女性同様とてもデリケートです。ストレスがたまるだけでも、EDや性欲障害・精子形成障害が起こることもあります。中には、不妊治療そのものがストレスになっている人もいるでしょう。スポーツなどでストレス発散をしたり、規則正しい生活を送ったりすることで、体の調子が整えられることもあります。仕事が忙しく、どうしてもパートナーのスキンシップがうまくとれないという場合は、思いきって仕事の量を減らしてみるのもいいでしょう。不妊治療はずっと行うわけではありません。「この時期までがんばろう」と期限を決めることも、リラックスに繋がります。

4.漢方を用いた男性不妊の改善方法

この項では、漢方を用いた男性不妊の改善方法を紹介します。

4-1.東洋医学における男性不妊の定義

東洋医学とは、中国を中心とした東アジアで発展してきた医学です。東洋医学では、体の機能を腎・肝・心・脾(ひ)・肺の5つに分類しています。そして、この中を気(精気)・血・水(血以外の体液)が規則正しく巡ることが健康な体です。男性不妊は、腎の機能が衰える腎虚(じんきょ)、気が滞る気滞(きたい)・血が滞るお血が原因と考えられています。

4-2.漢方を用いた男性不妊の改善が向いている人

東洋医学では、症状の改善に漢方薬や鍼灸(しんきゅう)などを用います。漢方薬は、自然の草木や鉱物から作られた「生薬」を原料とした薬です。漢方薬は病院で処方される薬に比べると、効き目が穏やかで副作用が起こりにくく長期間にわたって飲み続けることができます。そのため、ストレスや疲れなどで障害が起こっている人や、生殖機能的な問題はないが、精子の数が少なく元気もないという人が服薬すると、症状が改善する可能性があるでしょう。

4-3.男性不妊の改善に用いられる漢方薬

男性不妊の改善に用いられるのは以下のような漢方薬です。ここで紹介する以外にも、一人一人の症状や体質に合わせて最適な漢方薬を選んでいきます。

  • 柴胡竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):精子の運動機能の改善が期待できる漢方薬
  • 桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう):精子の濃度が薄く運動能力が低い症状を改善する効果が期待できる。体力回復などにも効果あり
  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):精子の運動機能の向上が期待できる

4-4.漢方薬局の利用方法

不妊はとてもデリケートな問題です。漢方薬を利用する場合、自分の体質や症状に合った漢方薬を服用すればより効果が期待できます。自分に合った漢方薬を処方してもらうには、漢方薬局を利用してみましょう。漢方薬局では漢方薬に詳しい薬剤師が常駐しており、顧客の症状や体質を詳しく聞き、その人に合った漢方薬を処方してくれます。最近は相談専用の窓口を設けている薬局も増え、サイトで相談予約ができるところもあるので、ぜひ利用してみましょう。なお、すでに薬を服用している場合、必ずお薬手帳を持参してください。
医心堂薬局でもお客様の症状や体質・今までの経過などを詳しくお聞きして体質や症状に合った漢方薬を調合しています。調合した漢方薬の種類にかかわらず、煎じ薬は15日分¥11,340(税込)・粉薬は15日分 9,720円です。無料相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

医心堂薬局 無料相談のお申し込み
https://www.ishindo.net/無料相談のお申し込み.htm

5.男性不妊に関するよくある質問

この項では、男性不妊に関するよくある質問を紹介します。

Q.年齢からくる男性機能の衰えにも、漢方は効果的ですか?
A.男性機能の衰えは、東洋医学では「腎虚」と言います。腎虚を改善する漢方薬もあるので、漢方薬局で相談してください。

Q.男性不妊は、若くてもなるものでしょうか?
A.はい。不妊に年齢は関係ありません。20代でも不妊の可能性があります。

Q.男性から精子を取り出すには、どのような方法がありますか?
A.射精が一般的ですが、精通の機能に問題がある場合は精嚢(せいのう)から直接精子を取り出す方法が提案されることもあるでしょう。

Q.不妊治療について相談したいのですが、適当な相手がいません。
A.厚生労働省が全国に不妊専門相談センターを設けています。リンク先から全国のセンターが検索できるので、相談してみましょう。

まとめ

いかがでしたか? 今回は男性不妊の現状や治療方法、漢方を用いた改善方法などを解説しました。男性不妊は、とてもデリケートな問題です。悩んでいても、なかなか相談できないという人もいるでしょう。現在は、男性不妊を専門に診るクリニックも増え、漢方薬局でも不妊治療の相談を積極的に行うところも出てきました。悩んでいる人は、相談だけでもしてみましょう。

監修者

医心堂薬局 店主 佐竹康秀

佐竹 康秀
医心堂薬局 店主

薬剤師・日本漢方連盟会員・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

星薬科大学を卒業後、漢方の道へ。同時に鍼灸の勉強も開始。平成4年に医心堂薬局を開局。漢方歴33年・鍼灸歴30年
「それは本当に患者様のためですか?」を常に考え治療をしている。

医心堂薬局総本店店 石川篤

石川 篤
医心堂薬局総本店 店長

薬剤師・日本漢方連盟会員・生活習慣病予防士

東京薬科大学卒業/漢方歴24年
「お客様の笑顔」を創出するため、漢方だけでなく食事・考え方など、一人一人に合ったアドバイスを提供。医師・薬剤師を対象とした漢方講座も行っている。