アトピー性皮膚炎の治療に使われる飲み薬は? 漢方の効果と共に解説


「季節や体調で症状が強く出るアトピー性皮膚炎を改善したい」「アトピー性皮膚炎で飲み薬を処方されているが、ほかの治療方法も試してみたい」このような、アトピー性皮膚炎に関する悩みを抱えている人は多いことでしょう。アトピー性皮膚炎は、人によって効果がある治療方法が異なるため、自分に合った治療方法が見つからないと長い間かゆみなどの症状に悩まされます。また、人によっては漢方薬が効果的なケースもあるでしょう。

今回は、アトピー性皮膚炎の治療に用いられる飲み薬や、アトピー性皮膚炎の症状改善に効果が期待できる漢方薬などを紹介します。

  1. アトピー性皮膚炎の基礎知識
  2. アトピー性皮膚炎の治療に使われる飲み薬
  3. 漢方を用いたアトピー性皮膚炎の改善方法
  4. 漢方薬局の利用方法
  5. アトピー性皮膚炎や漢方薬に関するよくある質問

この記事を読めば、飲み薬のメリット・デメリットなどもよく分かるでしょう。漢方薬を用いたアトピー性皮膚炎の治療を試してみたいという人は、ぜひ読んでみてください。

1.アトピー性皮膚炎の基礎知識

はじめに、アトピー性皮膚炎の症状や原因、患者数などを紹介します。

1-1.アトピー性皮膚炎とはどのような病気?

アトピー性皮膚炎とは、皮膚の湿疹や炎症・かゆみなどの症状が長時間続く病気です。乳幼児期に発生し、成人期になるまで症状が続く人も珍しくありません。また、成人してから発症する人もいます。アトピー性皮膚炎は、花粉症やアレルギー性鼻炎と同じ、アレルギー疾患の1つに分類され、平成28年に発表された厚生労働省の報告によると患者数は全国に450万人以上です。患者数は世界中で増え続けており、日本では3歳までの子どもの30%がアトピー性皮膚と診断されるという報告もあります。

1-2.アトピー性皮膚炎の症状

前述したように、アトピー性皮膚炎の症状は皮膚の湿疹や炎症・かゆみなどがあります。症状が出やすいのは、おでこや耳・口の周り、頬(ほほ)・手足の関節の内側などです。症状がひどい場合は、かゆみのために眠れないなどQOL(生活の質)が大幅に低下することも珍しくありません。また、症状が長引くと皮膚が黒ずんでごわごわになり、見た目にも影響が出てきます。さらに、皮膚をかきむしることが原因で、とびひや水いぼを発症することもあるでしょう。思春期以降に顔の皮膚炎が重度になった場合、網膜剥離や白内障を発症する人もいます。

1-3.アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の原因は環境的な要因と遺伝的な要因があります。アトピー性皮膚炎の患者が血縁にいる場合、発症の可能性が高い傾向があるのです。近年、フィラグリンという遺伝子の変異がアトピー性皮膚炎の発症と関係があることが分かってきました。ただし、遺伝的要因を持っていても、必ず発病するとは限りません。環境的な要因とは、皮膚の汚れ・汗・衣類の刺激・花粉・ホコリなど皮膚バリアを低下させる可能性があるものです。これらが多い環境で生活していると発症のリスクがアップします。さらに、強いストレスがかかると症状が急激に悪化することもあるでしょう。

1-4.アトピー性皮膚炎の基本的な治療方法

アトピー性皮膚炎の基本的な治療は、以下のようなものです。

  • 外薬療法:ステロイド外用薬や免疫抑制外用薬などの種類があり、症状に応じて処方される。患部に塗って使用する薬を用いて行う。
  • 内服薬療法:抗ヒスタミン剤、免疫抑制薬などを服用してかゆみと症状を抑える。外薬療法と併用したり、外薬療法では効果が出ない重症の患者に用いられることも多い
  • 紫外線療法:外薬や内服薬では効果が薄い人に用いる。紫外線を用いてかゆみを抑え、症状の改善を行う

これら3つの療法は、医師の指導のもと行います。ステロイド剤は怖いというイメージがありますが、独断で使用を中断すると余計に症状がひどくなるので、医師の指示に従うことが大切です。

2.アトピー性皮膚炎の治療に使われる飲み薬

前述したように、飲み薬には抗ヒスタミン剤、ステロイド内服薬・免疫抑制薬などがあります。この項では、種類別に詳しく紹介しましょう。

2-1.抗ヒスタミン剤

抗ヒスタミン剤は主にかゆみを抑えるのに用いられ、ポララミンなどの第一世代、セルテクト・アレロックなどの第二世代があります。第一世代は眠気が強く出るので、服用した後は車などの運転が制限されるでしょう。第二世代は眠気が弱いのですが、発熱している場合に服用すると、まれに熱性けいれんを悪化させるなどの副作用があります。

2-2.ステロイド内服薬

ステロイド内服薬は、外用薬では効果がない重度・最重度の患者や急に悪くなったアトピー性皮膚炎の治療に用いられます。ステロイド内服薬は長期服用すると不眠などの副作用が出てくるので、医師の指導の元で短期間だけ服用することが一般的です。

2-3.免疫抑制薬

重症の難治性アトピー性皮膚炎に用いられることが多く、肥満細胞から出るヒスタミンの分泌を抑制する効果があります。そのため、アトピー性皮膚炎のかゆみや症状を抑えることが可能です。シクロスポリンなどの商品名で処方されます。ただし、長期間服用すると腎障害などの副作用が現れることもあり、投薬は長くても12週間が目安です。

2-4.飲み薬の問題点

飲み薬は、重度・最重度のアトピー性皮膚炎の治療に用いられることが多いのですが、副作用も強いので長期間使用することができません。効果が現れても、一定期間服用したらインターバルを置くように指導されます。また、抗ヒスタミンはかゆみ止めとしても処方されますが、「眠気が出るので日常生活に支障が出る」と悩んでいる人もいるでしょう。

3.漢方を用いたアトピー性皮膚炎の改善方法

この項では、東洋医学におけるアトピー性皮膚炎の考え方や改善に用いられる漢方薬などを紹介します。

3-1.東洋医学におけるアトピー性皮膚炎の考え方

東洋医学は、中国を中心に東アジア一帯で発展してきた医学です。漢方薬を用いた治療や鍼灸(しんきゅう)がよく知られています。東洋医学における健康とは、東気(生命エネルギー)・血(血液)・水(血液以外の体液)が、バランスよく体を巡り、健康を維持している状態です。アトピー性皮膚炎は、気の不足・栄養不足が原因による熱のこもり・余分な水分が皮膚にたまる(湿熱)などが原因と考えられています。そこで、漢方薬で胃腸の消化機能を高めたり、皮膚に籠った熱を発散させたりすることで、症状の改善を試みるのです。

3-2.東洋医学ならではのアプローチ方法

東洋医学では、胃腸の消化吸収機能を高めることで栄養を体のすみずみまで巡らせ、新陳代謝を活発にさせることで皮膚症状の改善を試みます。皮膚症状だけを改善するのではなく、内臓に活力を与えて免疫力を高めることで、アトピー性皮膚炎の悪化を防いだり、再発を予防したりすることも期待できるでしょう。なお、近年は西洋医学でも消化器官の治療が、アトピー性皮膚炎の改善に効果があることが認められてきました。

3-3.漢方を用いた改善方法に向いている人

外用薬や内服薬を使った治療でもあまり効果が出なかった、もしくはストレスなどの環境的要因で症状が悪化しやすい人は、漢方薬を用いた改善方法が向いています。漢方薬は自然の草木や鉱物などを原料としている分、病院で処方される薬より長期間服薬することが可能です。ですから、内服薬の服用をやめたとたん症状が悪化することが多い人も、漢方薬を用いてみてください。

3-4.アトピー性皮膚炎の治療に用いられる漢方薬

アトピー性皮膚炎の治療に用いられる漢方薬は、主に以下のようなものです。

  • 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう):皮膚が乾き、湿疹がたくさんでている場合に用いられる
  • 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう):アトピー性皮膚炎が慢性化し、皮膚にくろずみが現れた人に用いられる。アレルギー性鼻炎を併発している場合にもおすすめ
  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):胃腸を元気にする効果が期待できる。免疫力を高める効果も期待できるので、ストレスなどの環境的要因で症状が悪化しやすい人にもおすすめ

ここでご紹介したのはあくまでも一例であり、症状や体質に合わせてさまざまな漢方薬が用いられます。

4.漢方薬局の利用方法

アトピー性皮膚炎の症状は人によって異なるため、漢方薬を服用したい場合は自分の症状・体質に合ったものを用いることが大切です。そこで、漢方薬局を利用してみましょう。漢方薬局は、漢方薬の調剤・販売を専門としている薬局で漢方薬に詳しい薬剤師が常駐しています。改善したい症状を薬剤師に詳しく相談すれば、自分に合った漢方薬を処方してもらうことが可能です。最近は、サイトを開設して相談をメールで受けつけたり相談専用の窓口を設けたりする薬局も増えてきました。ですから、初めての人でも安心して相談できます。なお、すでに薬を服用している人は、副作用予防のために必ずお薬手帳を持参してください。

医心堂薬局では、お客様の症状や体質・今までの経過などを詳しくお聞きして体質や症状に合った漢方薬を調合しています。調合した漢方薬の種類に関わらず、煎じ薬は15日分¥11,340(税込)です。

煎じ薬と言っても、おうちで煎じる手間がかからないようにお店で煎じて1回分ずつのレトルトのパックにしてお渡ししています(煎じ薬の製法・製造過程はこちらのページをご覧ください)。無料相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

医心堂薬局 無料相談のお申し込み
https://www.ishindo.net/無料相談のお申し込み.html

5.アトピー性皮膚炎や漢方薬に関するよくある質問

この項では、アトピー性皮膚炎や漢方薬に関するよくある質問を紹介します。

Q.漢方薬と病院の薬を併用することは可能ですか?
A.併用できるものとできないものがあるため、必ずお薬手帳を薬局に持参し、薬剤師と相談してください。個人の判断で併用してはいけません。

Q.漢方薬だけを用いてでアトピー性皮膚炎のを改善したいと考えています。
A.アトピー性皮膚炎で一番悪いのは痒さを我慢できず皮膚を掻き破って傷を作ってしまうことです。傷を作ってしまうと細菌感染などの二次的な症状を引き起こしてしまうため掻き破りを予防することが大事です。漢方だけで痒みが緩和できないほどの痒さのときはステロイド剤などで痒みを抑えることが優先されます。

Q.漢方薬は何歳から服薬できるでしょうか?
A.独特な苦みをがまんすることができれば、子どもでも服用できます。

Q.アトピー性皮膚炎はストレスで悪化することが多いと聞きました。
A.はい。強いストレスがかかると免疫力が低下し、胃腸が強い影響を受けることで症状が悪化しがちです。

Q.アトピー性皮膚炎の治療に食事を気をつけることは重要ですか?
A.とても重要です。食事が我々のお肌やお身体を作る材料です。近年アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患には西洋の食文化が大きく影響していると考えられます。日本古来の和食を中心にした食事を見直すことが体質改善の第一歩だと考えます。

まとめ

いかがでしたか? 今回は飲み薬を中心にアトピー性皮膚炎の治療方法や漢方を用いた改善方法を紹介しました。アトピー性皮膚炎の治療は根気が必要です。また、症状が安定しているうちに漢方薬を服用することで消化器官の機能を改善し、再悪化を予防したいという人も、漢方薬を用いた改善方法を試してみてください。

監修者

医心堂薬局 店主 佐竹康秀

佐竹 康秀
医心堂薬局 店主

薬剤師・日本漢方連盟会員・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

星薬科大学を卒業後、漢方の道へ。同時に鍼灸の勉強も開始。平成4年に医心堂薬局を開局。漢方歴33年・鍼灸歴30年
「それは本当に患者様のためですか?」を常に考え治療をしている。

医心堂薬局総本店店 石川篤

石川 篤
医心堂薬局総本店 店長

薬剤師・日本漢方連盟会員・生活習慣病予防士

東京薬科大学卒業/漢方歴24年
「お客様の笑顔」を創出するため、漢方だけでなく食事・考え方など、一人一人に合ったアドバイスを提供。医師・薬剤師を対象とした漢方講座も行っている。