高プロラクチン血症は漢方で改善できる? 不妊治療に漢方を取り入れるポイント


月経不順・無月経・不妊症などで治療を受けている人の中には、高プロラクチン血症と診断された人もいるでしょう。高プロラクチンとは、排卵を抑制する作用があるホルモンの一種で、過剰に分泌されると無月経や流産・不育症の原因となります。高プロラクチン血症の治療方法はいろいろありますが、漢方薬が効果的な人もいるでしょう。

今回は、高プロラクチン血症の原因や症状、漢方薬を用いた治療方法などを紹介します。

  1. 高プロラクチン血症の定義や症状
  2. 病院の治療は投薬が中心
  3. 東洋医学における高プロラクチン血症の考え方
  4. 漢方薬局の利用方法
  5. 高プロラクチン血症のセルフケア方法
  6. 高プロラクチン血症に関するよくある質問

この記事を読めば、自分に合った漢方薬を処方してもらう方法も分かるでしょう。高プロラクチン血症の治療方法を探している人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.高プロラクチン血症の定義や症状

はじめに、高プロラクチン血症がどのような病気なのか詳しく解説します。

1-1.高プロラクチン血症はプロラクチン値が高くなる病気

高プロラクチン血症とは、何らかの原因で血中のプロラクチン値が高くなる病気です。プロラクチンはホルモンの一種で、母乳の分泌を促進する効果があります。通常は出産後に分泌量が増え、身体が母乳を作りだすのです。しかし、何らかの原因で、妊娠をしていなくても血中のプロクチンの値が高くなることがあります。この状態が長く続き、月経不順・無月経・不妊などの症状が現れている状態が、高プロラクチン血症です。ちなみに、プロラクチンの血中濃度が15ng/mlをこえると、高プロラクチン血症の可能性があります。

1-2.高プロラクチン血症は月経不順や不妊の原因になる

プロラクチン値が高くなると、月経不順・無月経・不妊になることがあります。また、流産をくり返す不育症の原因となることもあるでしょう。なお、プロラクチンは女性だけでなく、男性でも分泌されます。男性が高プロラクチン血症になると女性化乳房や精力減退といった症状が出るのです。

1-3.高プロラクチン血症の原因は不明なこともある

高プロラクチン血症を発病する原因には、以下のようなものがあります。

  • 流産や人工中絶をした
  • 薬の副作用(ピル・向精神薬など)
  • 下垂体腫瘍
  • 高ストレス
  • 疲労がたまった

プロラクチンは妊娠をしないほうがよいと体が判断したときに分泌が増える傾向にあるため、仕事などで心身ともに疲労し、ストレスがたまっていると高くなることもあるでしょう。また、プロラクチン値は1日の中でも変動し、睡眠中に高くなる傾向があります。そのため、昼間は正常値でも夜間になると値が高くなる人もいるのです。さらに、黄体ホルモンが増える時期にプロラクチン値が高くなる人もいます。このような症状は「潜在性高プロラクチン血症」と呼ばれ、高プロラクチン血症の一種です。

1-4.プロラクチン値は血液検査で分かる

プロラクチン値はほかの女性ホルモンのように月経周期で値が変化することはありません。そのため、血液検査をすればプロラクチン値が分かります。

2.病院の治療は投薬が中心

病院で行う高プロラクチン血症の治療は、投薬が中心です。高プロラクチン血症は、下垂体腫瘍が原因でなければ妊娠を望まない限り、経過を観察しつつ積極的な治療を行わないこともあります。

一方、妊娠を望む人は、カバサールやテルロンといった内服薬を用いて、プロラクチン値を下げる治療を行うのが一般的です。ちなみに、「ここまでプロラクチン値を下げれば、必ず妊娠ができる」といった基準はありません。プロラクチン値の値を検査で確認しながら、投薬を続け不妊治療を行うことが多いでしょう。なお、服薬をしてもプロラクチン値が必ず下がるとは限りません。

また、服薬を止めたとたん再上昇する人もいます。そのため、「一生付き合っていく症状」と考えることが大切です。さらに、高プロラクチン血症に使われる薬には吐き気などの副作用が出ることもあり、副作用で治療を断念する人もいます。

3.東洋医学における高プロラクチン血症の考え方

この項では、東洋医学における高プロラクチン血症の考え方や漢方薬を用いた改善方法が向いている人を紹介します。

3-1.高プロラクチン血症は五臓の衰え

東洋医学では、人体の働きや機能を「肝・心・脾(ひ)・肺・腎」の5つ(五臓)に分類しています。この五臓を気(生命エネルギー)・血・水(血以外の体液)が規則正しく巡っている状態が東洋医学における健康です。病気になると、五臓のエネルギーが衰えたり、気・血・水が不足したり滞ったり、過剰になったりします。東洋医学では高プロラクチン血症は、肝・腎・心の3つがバランスを崩した状態と判断し、漢方薬を用いて3つの臓のバランスを整えるのです。

3-2.病院での治療に効果が実感できない人は漢方薬がおすすめ

漢方薬は、草木や鉱物などをそのまま用いた「生薬」を原料としています。そのため、病院の薬より効き目が穏やかで長期間服用が可能です。また、漢方薬のほうが効き目が実感できる人もいるでしょう。病院の服薬治療は副作用が強くて断念した人や、投薬の効果がいまひとつ実感できない人、治療を続けることで心身ともに不安定になっている人は、漢方薬を用いた改善方法を試してみてください。

4.高プロラクチン血症の改善に用いられる漢方薬

この項では、高プロラクチン血症の改善に用いられることが多い漢方薬を紹介します。なお、ここにご紹介したもの以外にも、体質や症状に合わせて処方される漢方薬もあるので、詳しくは薬剤師にご相談ください。

4-1.柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)

柴胡疎肝湯は、ストレスによる生理不順やイライラ、胃の痛みなどを改善する効果がある漢方薬です。ストレスが多く、投薬などの副作用や、流産など以外で高プロラクチン血症を発病した人に用いられることが多いでしょう。

4-2.桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸は、ホルモンの変化に伴う生理痛や冷え、月経不順・月経異常などの改善に用いられる漢方薬です。プロラクチン値が高く、月経不順が出る人に用いられることが多いでしょう。

4-3.炒麦芽(いりばくが)

炒麦芽は文字どおり、麦芽を炒ったもののエキスです。炒麦芽はプロラクチンの分泌を抑える効果が期待できます。なお、炒麦芽は漢方薬ではなく、健康食品に分類されるものですが、高プロラクチン血症の患者さんに多く服用されているものです。

4-4.病院の薬と飲み合わせる際は薬剤師に相談する

漢方薬はれっきとした薬です。病院で処方される薬と併せて服用することもできますが、飲み合わせによっては副作用が出ることがあります。現在薬を服用しており、漢方薬も併用したい人は、必ず薬局にお薬手帳を持参して薬剤師と相談してください。個人の判断で服用してはいけません。

5.漢方薬局の利用方法

漢方薬局とは、漢方薬の調剤・販売を専門としている薬局です。常駐しているのは漢方薬に詳しい薬剤師で、顧客の体質や改善したい症状の相談を受けてから、その人に合った漢方薬を処方します。高プロラクチン血症は人によって原因や症状が異なるため、ドラッグストアで調合済みの漢方薬を購入するより、漢方薬局を利用して自分に合った漢方薬を処方してもらうほうがおすすめです。今は、サイトを開設し、そこから相談予約ができる漢方薬局も増えました。なお、プライバシーは保たれているので、安心して薬剤師に詳しく症状や体質など改善したいところを相談しましょう。

医心堂薬局では、お客様の症状や体質、今までの経過などを詳しくお聞きして体質や症状に合った漢方薬を調合しています。漢方薬の種類に関わらず、費用は15日分¥11,340(税込)です。1回分ずつのレトルトのパックにしてお渡ししていますので、お客様自身で煎じる手間はありません。

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6.高プロラクチン血症のセルフケア方法

プロラクチン値は生活習慣によっても高くなります。この項では、プロラクチン値を正常に戻すため、自分でできるケア方法を紹介しましょう。

6-1.規則正しい生活

プロラクチン値は、寝不足や食生活の乱れなどストレスがたまることで高くなることがあります。できる限り毎日同じ時間に布団へ入り、十分な睡眠を取りましょう。仕事などが忙しく、不規則な生活をせざるを得ない場合は仕事を整理するなど、身体に負担をかけないようにすることが大切です。

6-2.気分転換

不妊治療をしていると、それ自体が大きなストレスになってしまいます。ストレスは高プロラクチン血症の原因にもなり、妊娠の大敵です。不妊治療をしているときは無理をせず、定期的に好きなことをして気分転換をしましょう。場合によっては、しばらく治療をお休みすることも必要です。

6-3.身体を温める

冷えは、生理不順や月経困難、不妊などの原因にもなります。身体を冷やさないように服装に気をつけるのはもちろんのこと、身体を冷やす食材や飲み物を意識して避けましょう。特に、冷え性の人は、冷えを改善する漢方薬も効果的なことがあります。

7.高プロラクチン血症に関するよくある質問

この項では、高プロラクチン血症に関する質問を紹介します。

Q.高プロラクチン血症は妊娠を望まない場合は、放っておいても大丈夫ですか?
A.命に関わる病気ではありませんが、生理不順や無月経が長く続くと妊娠に影響が出ることがあります。今は妊娠を望まなくても、将来的に妊娠する可能性がある人は、治療を受けるのがおすすめです。

Q.男性の高プロラクチン血症はどこで治療を受けられますか?
A.不妊外来があり、男性の治療も行っている産婦人科を受診しましょう。

Q.高プロラクチン血症は、自然に治ることはありますか?
A.ストレスが原因の場合、ストレスがなくなればプロラクチン値が下がる可能性はあるでしょう。しかし、絶対に下がるわけではありません。

Q.漢方薬局で処方してもらった漢方薬を家族で共有したりできますか?
A.いいえ。漢方薬局で処方された漢方薬は、その人の退室や症状に合わせたものであり、病院の処方薬と同じです。共有はできません。

Q.高プロラクチン血症は、一度治っても再発することがありますか?
A.はい。ストレスなどで再発することがあるでしょう。

まとめ

今回は、高プロラクチン血症の原因と治療法、漢方薬を用いた改善方法を紹介しました。高プロラクチン血症は、まだ根本的な治療方法がありません。ですから、病院で処方される薬も合う人と合わない人がいます。病院で処方された薬や治療法の効果が実感できない人は、漢方薬を用いた改善方法を試してみてください。効果が出る可能性があります。

監修者

医心堂薬局 店主 佐竹康秀

佐竹 康秀
医心堂薬局 店主

薬剤師・日本漢方連盟会員・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

星薬科大学を卒業後、漢方の道へ。同時に鍼灸の勉強も開始。平成4年に医心堂薬局を開局。漢方歴33年・鍼灸歴30年
「それは本当に患者様のためですか?」を常に考え治療をしている。

医心堂薬局総本店店 石川篤

石川 篤
医心堂薬局総本店 店長

薬剤師・日本漢方連盟会員・生活習慣病予防士

東京薬科大学卒業/漢方歴24年
「お客様の笑顔」を創出するため、漢方だけでなく食事・考え方など、一人一人に合ったアドバイスを提供。医師・薬剤師を対象とした漢方講座も行っている。