大柴胡湯はどんな効能があるの? 特徴や入手方法・飲み方を解説!


大柴胡湯(だいさいことう)は、肝臓・胃腸の病気、高血圧に伴う症状などに用いる漢方薬の1つです。漢方薬は、自然由来の生薬が多数配合されており、西洋薬よりも体に負担をかけず症状を緩和することができるといわれています。ただし、自分の症状や体質に合っているかが大切なポイントです。そこで、本記事では、大柴胡湯の特徴について解説します。

  1. 大柴胡湯は肝機能を活性化させる
  2. 大柴胡湯の主な配合生薬は柴胡
  3. 大柴胡湯の入手方法・飲み方は?
  4. 大柴胡湯に関してよくある質問

この記事を読むことで、大柴胡湯の効能や正しい入手方法が分かります。気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

1.大柴胡湯は肝機能を活性化させる

まずは、大柴胡湯にどのような効能があるのか、特徴をチェックしていきましょう。

1-1.肝臓・胃腸の病気に用いられる漢方薬

大柴胡湯は、体の余分な熱を取り除き、炎症を抑える力を持っています。主に、肝機能や慢性胃腸障害の症状を緩和する際に用いられることが多い漢方薬です。食べたものをエネルギーに変える代謝の働きを助ける力があるため、肝臓での脂質代謝改善に役立ちます。肝臓の脂質代謝機能を高めることによって、肥満症・便秘の改善にもつながるでしょう。近年では、肝臓・胃腸の病気に漢方薬を処方する病院が増えてきました。それだけ、効能が期待できる漢方薬といえるでしょう。

1-2.実証タイプに用いる代用的な漢方薬

大柴胡湯は実証タイプに用いる代表的な漢方薬です。実証タイプは、体力に自信がある・暑がり・胃腸が丈夫・顔色がよい・食欲旺盛という特徴があります。漢方医学では、人の体質のことを「証(しょう)」といい、実証と虚証の2種類に分かれるのです。実証タイプは一見、健康のように感じますが、外からの有害物が充満することで不健康になった状態を指しています。大柴胡湯は、そんな実証タイプと相性のいい漢方薬です。自分が実証タイプに当てはまるか分からない方は、以下の項目をチェックしてください。

  • 筋肉質でがっちりしている
  • 声が大きくしっかりしている
  • 疲れをあまり感じない
  • 血色がいい
  • 胃腸は丈夫なほうだと思う
  • 食欲は常にある
  • 爪はピンク色でなめらか
  • 便秘をするとつらい

以上の項目に当てはまる方は、実証タイプといえるでしょう。より適切な診断を受けたい方は、漢方薬局へ相談することをおすすめします。

1-3.高血圧症・悪心(おしん)・不眠症にも用いられる

大柴胡湯の効能は、ほかにもさまざまな症状に対し有効に働きます。たとえば、便秘・耳鳴り・肩こりなどを伴う症状です。主な症状としては、以下のようなものがあります。

  • 高血圧症
  • じんましん
  • 胃酸過多症
  • 悪心
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 糖尿病
  • ノイローゼ
  • 不眠症

痛みをやわらげたり、便秘が解消したりなど、日々の症状で悩んでいる方にも気軽に使うことができる漢方薬といえるでしょう。

1-4.胸脇苦満(きょうきょうくまん)がある人の不調に最適

腹診(漢方医学にて重要とされる診察法)で、みぞおちから胸の脇にかけて張ったような苦しい状態のことを胸脇苦満といいますが、大柴胡湯はこの状態で苦しんでいる方に最適な漢方薬です。漢方医学では、胸脇苦満と認められるほとんどの人に、大柴胡湯が処方されます。胸脇苦満は、脇腹やみぞおちが張って苦しいだけでなく、頭痛・便秘・肩こり・神経症などの症状も併発する点が特徴です。

2.大柴胡湯の主な配合生薬は柴胡

漢方薬は生薬を複数組み合わせたものですが、大柴胡湯にはどのような種類が混ざり合っているのでしょうか。

2-1.配合生薬は全部で8種類

大柴胡湯は、柴胡をはじめ、以下の生薬が配合されています。

  • 柴胡
  • 半夏(はんげ)
  • 生姜(しょうきょう)
  • 黄芩(おうごん)
  • 芍薬(しゃくやく)
  • 大棗(たいそう)
  • 枳実(きじつ)
  • 大黄(だいおう)

柴胡と黄芩の組み合わせで炎症をしずめ、半夏と枳実によって胸のつかえ感や吐き気を抑えることが可能です。また、大黄は便秘、芍薬は痛みの解消に役立ちます。さまざまな体の不調を取り除く生薬が配合されているので、より高い効果が発揮できるのです。

2-2.胃炎・胃痛・胃腸虚弱・食欲不振の際に処方される

前述したように、大柴胡湯は胃腸・肝臓の機能が低下しているときに処方されるケースがほとんどです。特に、胃炎・胃痛・胃腸虚弱の傾向がある際に使われます。胃腸が炎症を起こすと、熱がこもり、口が苦い・発熱・嘔吐・食欲不振・のどの渇きなどの症状が顕著に現れるでしょう。まずは、炎症を抑えることが大事なので、柴胡と黄芩が含まれている大柴胡湯で熱をしずめます。

2-3.体力中等以上の人に向いている

大柴胡湯は、誰でも服用可能な漢方薬ではありません。基本的に、体力が充実している「実証タイプ」向けの漢方薬となっているため、それ以外の体質の方は服用しないほうがいいでしょう。たとえば、冷えが強い寒証タイプ、体が弱い虚証タイプの人です。また、胃腸の状態がよくないときに服用しますが、極端に胃腸が弱く、下痢や嘔吐を起こしやすい人は慎重に用いる必要があります。人の体質や状態によって、服用の仕方が変わるのも漢方薬の大切なポイントです。

2-4.体にやさしい漢方薬でも副作用はある

漢方薬は自然由来の生薬だけが配合されていますが、場合によっては副作用の可能性もあるので注意しなければなりません。副作用が起きるケースの多くは、体質や状態に合っていない種類を服用したり、規定量以上の量を服用したりするケースです。人によっては、胃の不快感・吐き気・腹痛・下痢などを伴うこともあります。大柴胡湯の副作用で重いケースになることはほとんどありませんが、稀に、肝障害や呼吸困難が起こることもあるので注意してください。

3.大柴胡湯の入手方法・飲み方は?

では、大柴胡湯の入手方法と飲み方を解説します。

3-1.病院・漢方薬局で購入できる

一般的に、漢方薬は病院または漢方薬局で購入できます。体質が弱い方は刺激的な成分が含まれている西洋薬では負担が大きすぎますが、生薬だけ配合されている漢方薬なら体に負担をかけることなく症状をやわらげることが可能です。そのため、近年は漢方薬を処方している病院も増えてきました。市販でも購入できますが、漢方の専門知識を持っている人から処方してもらったほうが安心です。自分の体質・症状に合っている種類を選ぶために、漢方に詳しい薬局へ相談することをおすすめします。

3-2.漢方薬局に相談するのがおすすめ

漢方薬局は、漢方に詳しい知識を持っている専門家が症状・状態を聞き、最適な種類を選びます。漢方を専門的に扱っているので、病院よりもより詳しい視点から飲み方までレクチャーしてくれるのです。大柴胡湯を服用したいと思っている方は、漢方薬局に相談してください。近場に漢方薬局がなくても、医心堂薬局ではメール・電話にて相談が可能です。累計7万人近くの方への処方経験により、1人1人の症状と体質に合った漢方薬を提案しています。正しい飲み方に関してもレクチャーしておりますので、ぜひ1度ご相談ください。

3-3.一般的な飲み方は乾燥エキス剤

多くの病院で処方されるのは、煎じる必要のない乾燥エキス剤です。医心堂薬局では、何種類もの生薬をしっかり煮出した煎じ液を1回分ずつパックにしているので、手間と時間をかけずにすぐ服用できます。また、漢方薬は、食前・食間の空腹時に飲むのが一般的です。空腹時に服用したほうが、漢方薬の生薬が体中の隅々にまで行きわたりやすい傾向があります。顆粒タイプは、お湯で溶かしてからゆっくりと飲んでください。具体的な飲み方に関しては、漢方薬局に相談し教えてもらいましょう。

3-4.毎日飲み続けることが大切

漢方薬は毎日飲み続けることで、生薬の成分が体中に染みわたり、症状が少しずつやわらぐようになります。処方される分だけ毎日飲み続けましょう。そうすれば、だいたい10~15日で効果が現れます。ただ、症状がやわらいできたとしても、治療期間は4〜6か月ほど必要になるでしょう。また、病状が深刻化している場合は、治療期間が長くなる恐れがあります。なかなか症状がよくならない場合は、幾度漢方薬局に相談してください。

4.大柴胡湯に関してよくある質問

大柴胡湯に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.漢方医学と西洋医学の違いは?
A.漢方は、症状だけでなく体全体をみる点が特徴といえます。気(エネルギー)・血(血液)・水(体液)のバランスを整えることで、病気や症状を改善することが漢方の大きな目的です。一方、西洋医学は、どうすれば症状を抑えることができるのか考え、やわらげるために薬を処方します。漢方は人間本来に備わっている治癒能力を引き出しますが、西洋医学は体質ではなく症状を見るのが特徴です。

Q.大柴胡湯は精神病の症状をやわらげることができるの?
A.大柴胡湯に含まれている枳実は、緊張・不安・イライラ・興奮を主とする神経症や心身症に対して有効だといわれています。ただし、漢方薬の服用と同時に、日ごろの生活も見直す必要があるのです。栄養バランスのとれた食事・十分な睡眠・適度な運動も心がけましょう。心が休まらない環境で漢方薬を飲んでも、なかなか効能は実感できません。

Q.西洋薬との飲み合わせはできるの?
A.可能です。ただし、薬の種類によっては、合わせて飲まないほうがいいケースがあります。たとえば、大柴胡湯に含まれている大黄が、現在服用している薬の中に含まれていると、過剰摂取となり副作用を起こす恐れがあるのです。市販薬も含め、服用中の薬がある方は、漢方薬を飲み始める前に担当医または漢方薬局に相談してください。また、持病のある人・妊娠中の人も事前に申告しましょう。自分で判断し、複数の薬を同時に服用するのは危険です。

Q.使用上の注意点は?
A.妊娠中の方が服用すると、早流産の原因になる恐れがあるので注意が必要です。配合生薬の大黄には、子宮収縮作用や骨盤内臓器の充血作用があります。大量に服用しなければ心配はありませんが、念のため医師または漢方薬局と相談したほうがいいでしょう。また、服用し始めてから胃の不快感・吐き気・腹痛・下痢などの症状がみられた場合はすぐに服用をやめてください。体質に合っていない可能性があるので、その場合も処方された漢方薬局に相談するのが1番です。

Q.小柴胡湯(しょうさいことう)との違いは?
A.大柴胡湯と似ている漢方薬に、小柴胡湯と呼ばれる種類があります。小柴胡湯も胃腸虚弱・食欲不振・疲労感・胸脇苦満などの症状に用いられますが、具体的には風邪がこじれて長引いたときに力を発揮する漢方薬です。柴胡・半夏・大棗と大柴胡湯と同じ生薬が配合されている中に、人参(にんじん)が含まれています。人参は日本人になじみのある生薬で、胃腸全般の調子をよくする生薬です。人参の有無が、小柴胡湯と大柴胡湯の大きな違いといえるでしょう。

まとめ

大柴胡湯は、体の中にある余分な熱を取り除き、炎症を抑えることができる漢方薬です。主に、体力が充実している実証タイプの人に用いられます。胃や肝臓の病気や高血圧症・不眠症・ノイローゼなどの症状をやわらげる力がありますが、体質・症状に見合った量を服用することが大切です。服用したいときは、漢方に詳しい漢方薬局に相談してください。医心堂薬局は、メールや電話でも無料相談を受けつけているので、遠方にお住まいの方でも気軽にご相談いただけます。服用し始めてから10〜15日程度で症状が軽くなるケースがほとんどですが、中には症状がやわらぐまで時間がかかるケースもあるでしょう。その際は、幾度漢方薬局へ相談し、漢方薬の量や種類を調整してもらう必要があります。

監修者

医心堂薬局 店主 佐竹康秀

佐竹 康秀
医心堂薬局 店主

薬剤師・日本漢方連盟会員・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

星薬科大学を卒業後、漢方の道へ。同時に鍼灸の勉強も開始。平成4年に医心堂薬局を開局。漢方歴33年・鍼灸歴30年
「それは本当に患者様のためですか?」を常に考え治療をしている。

医心堂薬局総本店店 石川篤

石川 篤
医心堂薬局総本店 店長

薬剤師・日本漢方連盟会員・生活習慣病予防士

東京薬科大学卒業/漢方歴24年
「お客様の笑顔」を創出するため、漢方だけでなく食事・考え方など、一人一人に合ったアドバイスを提供。医師・薬剤師を対象とした漢方講座も行っている。